女性が直面する心身と社会の課題についての調査結果

最近、W society実行委員会が実施した「女性を取り巻く心身的/社会的課題に関する実態調査」が話題となっています。この調査では、18歳から44歳までの女性1,500名を対象に、体調への向き合い方や産婦人科への受診意向について実態を明らかにすることを目的としています。調査の結果、驚くべきことに、実に8割の女性が何らかの体調不良を抱えていることが判明しました。

調査結果の概要

調査結果からは、以下のような重要なポイントが浮き彫りになっています。

- 心身の不調：8割以上の女性が体調に関する不安や違和感を抱えています。具体的には、体調を把握するための方法として、記録をつけている女性は34％、定期健診を受けていると答えた女性は26.6％でしたが、「なんとなく」と答えた層も29.4％いることを考えると、自己管理の不足が懸念されます。

- 相談相手の不足：調査対象から「誰かに相談したい」と感じているものの、実際には4人に1人は相談相手がいないと回答。最も相談しやすい相手としては夫やパートナー、親が挙げられ、専門家への相談は8.1％と少数にとどまっています。

- 受診意向：産婦人科や婦人科に通院している女性は9.5％にとどまり、受診しない理由として「お金がかかる」との回答が最も多く、次いで「なんとなく」「面倒」といった心理的・経済的なハードルが大きいことが浮かび上がります。

- 妊娠に対する不安：妊娠を望む女性の77％が妊娠に対して何らかの不安を抱いており、「金銭的な不安」が大きな要因として指摘されました。また、妊娠できると思う年齢は37.43歳と、高齢出産が一般的となっている現状も浮き彫りになっています。

- 卵巣予備能検査の認知度：AMH検査（卵巣予備能検査）の認知度は30.8％にとどまり、受診経験がある女性はわずか5.1％。このことは、自身の健康状態を知るための情報が不足していることを示しています。

課題解決に向けて

これらの結果を受け、W society実行委員会は、女性が自分自身の現状を「知る」ことが課題解決の第一歩であると位置付けています。具体的な対策として、サポートを受ける場の提供や、専門家との連携を促進し、女性が安心して自分の体調について相談できる環境を整備することが求められています。

医師の考え

医師である賀来哲明氏も、調査結果を受けて、女性の心身の健康を守るためには相談のハードルを下げる必要があると強調しています。初めての受診には多くの不安が伴いますが、少しでも気になる点があれば医療機関を利用することが重要です。専門家の意見を聞くことで、不安を解消し、より良いサポートを受けられることが期待されます。