サントリー大阪工場の原料取り扱いの自動化
サントリー株式会社は、東京本社を持つ企業であり、多彩な飲料を提供していますが、その一環として、大阪工場の『スピリッツ・リキュール工房』において原料の取り扱いエリアを自動化する取り組みを進めています。この工場は、サントリー史上最も歴史のある工場の一つとして有名であり、今年の6月には最新の設備を導入した新たな工房が完成しました。
自動化の必要性
近年、原料の管理や取り扱いにおいて効率性と品質の両面が求められています。『スピリッツ・リキュール工房』では、多種類の原料酒を製造しており、特に冷凍や乾燥した原料の取り扱いには手作業が不可欠でした。しかし、この手作業は労働集約型の作業であるため、現場技術者の負担が大きく、また、その時間を新しい商品の開発に振り向ける余裕がありませんでした。
自動化の導入
そこでサントリーは、ロボット技術やAIを活用した自動化を導入しました。株式会社安川電機との協業により、原料運搬ロボットやハンドリングロボットを導入し、倉庫から原料を搬入し、その後の投入までのプロセスを自動で行えるようになりました。このシステムにより、手作業による原料の取り扱い業務の時間が約1/3に削減され、年間で約2,000時間の作業時間を節約できる見込みです。
多様な原料への対応
自動化されたシステムは、段ボールやバケツ、さらには冷凍や乾燥といったさまざまな形態の原料を扱える柔軟性を持っています。AIカメラによって原料の形態を認識し、ロボットが自動的にハンドを持ち替えて作業を行います。これにより、効率的かつ正確に原料を取り扱うことが可能となります。
品質保証の強化
自動化は作業の効率性を高めるだけでなく、品質保証の強化にもつながります。原料が投入される前には、自動で品質検査が行われ、揮発物質の検出や外観の異常をAIによって判断します。これにより、より正確な品質管理が実施でき、消費者により信頼される製品を提供できるようになります。
お客様第一の姿勢
サントリーは創業以来、一貫して「お客様第一」の姿勢で仕事に取り組んできました。この自動化はその活動の一環であり、品質向上を追求する新たな手段として位置づけられています。今後も『All for the Quality』という品質方針のもと、さらなる進化を目指して努力を続けていくことでしょう。
最新の技術を導入したこの取り組みは、今後のサントリーの製品開発や生産性向上に向け、大きな影響を与えることが期待されています。私たち消費者も、これにより届けられる新しい商品に期待が高まります。
参考リンク