TBSラジオとUPDATERが連携、熱中症リスク対策の新プロジェクト始動

TBSラジオとUPDATERが手を組む新プロジェクト「ON-AIR COOL」

近年、猛暑が進む中、労働現場での安全対策がより一層重要視されています。そんな中、TBSラジオと株式会社UPDATERが新たなプロジェクト「ON-AIR COOL」を始動しました。このプロジェクトは、2025年の夏季に向けて屋外及びイベント会場での熱中症リスクを可視化し、予防行動を促すことを目的としています。

プロジェクトの目的と背景

熱中症は、特に夏季において多くの労働者にとって危険因子となります。2025年6月には労働安全衛生規則が改正され、暑さ指数（WBGT）が28℃以上または気温が31℃以上の場合に、全ての事業者に熱中症対策が義務付けられました。違反した際には罰則も設けられていますが、実際にはまだまだ対策が不十分な企業が多いのが現状です。これに対抗する形で、UPDATERは新たなテクノロジーを取り入れ、実証実験を行います。

ON-AIR COOLプロジェクトの詳細

プロジェクトは、2025年の8月18日から9月30日にかけて実施されます。対象となるのは、TBSラジオの制作スタッフや出演者、イベント参加者です。参加者にはリストバンド型ウェアラブルデバイスが配布され、これにより遠隔でのデータ管理が可能となります。このデータはUPDATERの「みんなワークス」で計測された全国データと組み合わせて解析され、リスクの傾向を明らかにします。

具体的には、使用されるウェアラブルデバイスは「hamon band N」で、これによって脈波から体温の変動を推測し、熱中症のリスクを即座に検知します。また、デバイスは防水・防塵性能を備え、約30時間連続使用が可能です。

実証実験の特徴

このプロジェクトの強みは、放送現場特有の多様な環境を測定対象とする点です。屋外ロケやイベントなど異なる条件でデータを収集し、得られた情報をもとに行動変容を促していきます。さらに、得られたデータは蓄積され、今後の分析基盤の構築にも寄与します。最終的には、他の放送局や制作会社へも知見を共有し、取り組みを広めていく考えです。

UPDATERのビジョン

UPDATERは、従業員が安心して働ける環境を作ることを企業の理念としています。今回の「ON-AIR COOL」プロジェクトは、環境データを活用しかつ科学的根拠によるアプローチを採用することで、放送業界の労働環境を向上させることを目指します。特に、気候変動によって危険が増えた今、熱中症対策は必須と言えるでしょう。

現場の声

株式会社TBSラジオの経営企画局局長である塩山氏は、「猛暑は制作現場の安全管理に対する新たな課題を突きつけています。この実証実験を通じて、安心して制作に携わることができる環境を構築していきたい」と意気込みを語っています。また、UPDATERの大石氏も、「現場で働く人の命を守るためには迅速な対応が必要です。このプロジェクトを通じて、より安全で魅力ある現場を実現したい」と発言しています。