一般社団法人デジタルテスト推進協会が発足
2025年7月1日、東京都港区に新たに「一般社団法人デジタルテスト推進協会」(略称:DiTA)が設立されました。この団体は、試験および講習業務のデジタル化を推進し、受験者や受講生にとって利便性の高い環境を整えることを目的として活動します。設立から約3ヶ月後の10月10日には、公式ホームページも公開され、多くの注目を集めています。
設立の背景
近年、試験や教育におけるデジタル化が進展し、特に2026年には司法試験のCBT化が発表され、国家資格のデジタル化の検討が本格化しています。こうした流れに伴い、試験のセキュリティ強化が求められており、今や試験業界にはデジタル化への強いニーズがあると言えます。また、デジタル庁が国家資格のデジタル化に向けた方針を明示し、マイナンバーカードにデジタル証明書が紐づくことで、経歴詐称を防ぐ期待も高まっています。
しかし、日本国内では依然として多くの試験がアナログ方式で行われており、CBTやIBTの普及は限られています。これらの課題を解決するため、本協会は試験業界の専門家や企業を集結し、デジタル化の推進に向けた取り組みを強化していくことを目指しています。
一般社団法人デジタルテスト推進協会について
本協会には、試験および教育業界の主要な企業や団体が参加しています。国内外で試験事業を展開する企業や、司法試験や国土交通省法定講習のデジタル化を支える技術提供者に加え、アナログ試験を運営する企業も参画。これにより、アナログからデジタルへの移行に必要な多様な知識が一堂に集まります。
主要会員企業・団体
- - 株式会社イー・コミュニケーションズ
- - 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
- - 株式会社学研ホールディングス
- - プロメトリック株式会社
- - 株式会社全国試験運営センター
- - 株式会社EduLab
- - ナショナル・コンピュータ・システムズ・ジャパン株式会社(ピアソンVUE)
- - 株式会社内田洋行
使命と理念
当協会の理念は「テストのデジタル化を推進する」ことで、受験者や受講生に対して便利かつ公平な環境を提供することです。さらに、最新のテクノロジーを取り入れ、試験や講習の受付、実施、採点、認定証の発行までを全面的にデジタル化します。これにより業務の効率化を図り、受験者に質の高いサービスを提供します。
今後の活動
協会は、以下のような事業を展開します:
- - デジタルテストに関する調査研究や白書の刊行(年1回)
- - 教育・評価分野に関する年次セミナーやシンポジウムの開催
- - デジタルテスト関連の教材や資料、書籍の制作と配布
- - 行政機関、教育機関、民間団体への提言・協力
- - 試験セキュリティ対策の研究と最新技術の活用
- - デジタル認定証の仕組み確立とガイドライン制定
- - 「デジタルテストアワード」の実施(革新的取組事例の表彰)
さらに、2023年10月24日(金)には、デジタル庁の後援を受けた「一般社団法人デジタルテスト推進協会設立記念セミナー」が関係者向けに開催予定です。
理事長のコメント
理事長の佐藤信也氏は「当協会は、受付から採点、認定証発行までを包括的にデジタル化する最新手法を研究し、国内外の先進事例を発信していきます。不正対策やAIによる業務効率化をも手掛け、受験者にとって『便利で、公正で、安心できる』新しい試験環境の実現を目指しています」と述べています。
試験のデジタル化は、受験者や実施団体だけでなく、教育全体に革新をもたらす可能性を秘めています。今後の動向から目が離せません。