AIリーガルテック協会の誕生
一般社団法人AI・契約レビューテクノロジー協会が2025年1月10日より、名称を「一般社団法人AIリーガルテック協会」に変更し、新たなスタートを切ることを発表しました。東京都渋谷区に拠点を置く同協会の代表理事、松尾剛行氏は、この変化がリーガルテック業界における協会の役割を強化し、さらなる信頼性の確立につながるとしています。
また、協会が中心となって策定した「リーガルテックとAIに関する原則」も同時に公表されました。この原則は、リーガルテックサービスの品質向上を目的としており、ユーザーが安心して利用できる環境を作ることを目指しています。
リーガルテックとは?
リーガルテックは法律や法務に関連する技術やサービスを指し、最近の技術革新により、その発展が加速しています。しかし、技術の進化と共に市場には粗悪なサービスも出現する可能性があり、特に法務分野では専門的な知識を必要とするため、クオリティの確保が重要とされています。
法務人材の不足とリーガルテックの必要性
最近の調査によると、日本の法務業界では法務人材が不足している状況にあります。特に、企業法務がグローバルに展開する中で、専門的なサービスを提供するためにはリーガルテックの活用が不可欠とされています。リーガルテックの進化は、企業が法務業務を効率化し、国際競争力を向上させるための重要な要素となるでしょう。
新たな原則の内容
「リーガルテックとAIに関する原則」は、前文と4つの基本原則から構成されています。これらはすべてのリーガルテックサービス提供者が遵守すべき事項を明記しています。
- - 前文: 協会会員がこの原則を指針として遵守することが求められています。
- - 原則1: コンプライアンスを重視し、関連法令の遵守を明宣言。
- - 原則2: 「Lawyer-in-the-loop」として、法律の専門家をプロセスに関与させ、適正なサービスの提供を確保。
- - 原則3: データ保護に対する厳格な取り扱いを要求。
- - 原則4: ユーザーがサービスの特性を理解できるよう、適切な情報提供を行うことを強調。
原則策定の背景
この原則の策定には、学識経験者や法律専門家が深く関与しており、リーガルテックの健全な発展に向けた基盤を形成しています。AI技術の進化に伴い、サービスの品質が向上する機会が増えている一方で、利用者にとっての安心感が欠けている現実を踏まえ、リーガルテックの使用における信頼性の確保が求められています。
新しい未来を目指して
このような背景の中で、AIリーガルテック協会は法曹界や企業法務業界に対しリーガルテックサービスの活用を奨励し、我が国の法務力や国際競争力の向上を促進するとともに、司法アクセスの改善を目指しています。新たな名称と原則が示す想いは、リーガルテックを通じてより良い社会の実現に貢献することです。
今後、AIリーガルテック協会は、ユーザーが安心して利用できるリーガルテックサービスの普及に向け、積極的に活動を続けていくと表明しています。リーガルテックの未来を見据えた今、この協会の取り組みがどのように進化していくのか、目が離せない状況です。