新潮ミステリー大賞第十一回受賞作の紹介
2023年7月31日、名高い作家たちが選考委員を務めた第十一回新潮ミステリー大賞の選考会が開催されました。そこで見事に大賞を受賞したのは、二礼樹さんの『悪徳を喰らう』です。この作品は、圧倒的な完成度を誇る新世代のヴァンパイア・ミステリーとして注目されています。
新潮ミステリー大賞とは?
新潮ミステリー大賞は、2014年にスタートした賞で、日本推理サスペンス大賞や新潮ミステリー倶楽部賞、ホラーサスペンス大賞のDNAを引き継いでいます。この賞は、独自の才能を持った作家を発掘し、支援することを目的としています。これまでにも、多くの注目作家が世に出てきました。
受賞作品の評価
『悪徳を喰らう』は、全172篇の応募作の中から選ばれました。選考委員の貴志祐介氏は「完成度という点で一頭地を抜いていたと思う」と高く評価し、湊かなえ氏は「登場人物が魅力的で、印象深いセリフが多い」ことを称賛しました。道尾秀介氏は、作品の背景にある人間の感情を的確に描いている点を挙げ、「今まで読んだ中で最高に面白かった」と評しました。これらの声からも、新人作家が生み出した作品への期待が感じられます。
作品のあらすじ
『悪徳を喰らう』の舞台は、高級リストランテ『オンブレッロ』です。この店は、ただの高級レストランではなく、裏で政治家やマフィアとの関係を持つ「晩餐会」を催す秘密の場所となっています。元軍人のオズヴァルドがこの店で働くことになるが、彼は「晩餐会」で使用する特別な食材の解体を任されます。
物語は、オズヴァルドが冷凍庫で確認作業を進める中で出会う吸血鬼、名はルカとの邂逅から動き始めます。ルカは、飴細工のような金髪を持つ魅力的なキャラクターで、この出会いが物語にどのような影響を与えるのか、興味が尽きません。
著者プロフィール
二礼樹氏は1997年に宮城県で生まれ、現在は東京都在住です。システムエンジニアとして働く一方で、執筆活動も行っています。26歳という若さでの受賞は、今後の活躍が楽しみです。
今後の展開
『悪徳を喰らう』は、2024年春に単行本として出版される予定です。また、贈賞式も同じ頃に行われる計画です。選考会では、最終候補作の映像化が東映で検討されることが明らかにされました。新たな才能が光る中、二礼氏の作品がどのように評価されていくのか、期待が高まるばかりです。ミステリー好きの皆さんは、この機会にぜひ注目してください。