八戸市で進化する協働プロジェクト「Hachinohe X-Tech Innovation」
青森県八戸市が取り組む「Hachinohe X-Tech Innovation」(通称:ハチクロ)は、地域の社会課題を解決すべく、スタートアップ企業との協働による実証実験を行う画期的なプロジェクトです。この取り組みは、特定非営利活動法人コミュニティリンクが運営をサポートし、今回が2年目の実施となります。
目指すは持続可能な未来
八戸市は東北屈指の産業都市として名高いものの、今まさに人口減少や少子高齢化、さらにはスマートシティの実現に向けたデジタル化など、様々な課題に直面しています。こうした背景を踏まえ、八戸市は「Hachinohe X-Tech Innovation」を通じて、地域の活性化と持続可能な発展を目指しています。具体的には、工業団地の開発や八戸港の利便性向上、自動車やヘルスケアなどの成長産業振興が含まれています。
2023年度の実証実験
このプロジェクトには、以下の3社が採択され、それぞれ異なる課題への取り組みを行います。
1. 町内会への加入促進
- - 課題名:「そうだ!町内会に入ろう!」
- - 採択企業: しがとせかい株式会社
この取り組みでは、市内のモデル地区を対象に、町内会への参加を促す新たなシステムを導入し、その効果を検証します。「持続可能で参加しやすい町内会」の実現を目指すこのプロジェクトは、地域コミュニティの強化を図るものです。
2. ブドウ生産の改善
- - 課題名: 「八戸ワインをさらに美味しく!」
- - 採択企業: 株式会社きゅうりトマトなすび
南郷地区のブドウ畑では、センサーを活用し気象や土壌データを測定。これにより、ブドウの成長パターンや品質向上への影響を分析し、糖度・酸度管理や害虫の抑制にも貢献します。これからの八戸ワインのクオリティ向上に繋がることが期待されます。
3. デジタルごみ受付の導入
- - 課題名:「粗大ごみ受付を電話からデジタルに?」
- - 採択企業: 株式会社アイティコワーク
このプロジェクトは、ウェブ申請のテストサイト構築を通じて、住民が手軽に粗大ごみの受付を行える仕組みを作ります。住民の利便性向上を図りつつ、業務内容を最適化することを目的としています。
Urban Innovation JAPANの役割
「Hachinohe X-Tech Innovation」は、Urban Innovation JAPAN(UIJ)が支援しています。UIJは、全国の自治体とスタートアップ企業を繋げ、共に社会課題の解決に取り組むオープンイノベーションプラットフォームです。これまでの成功事例も多数あり、2021年にはグッドデザイン賞を受賞しています。
八戸市のこの取り組みは、地域の活性化と持続可能な発展だけでなく、全国的なモデルとしての役割を果たすことも期待されています。プロジェクトの進展とともに、地域社会の新たな可能性を共に探っていきたいものです。