花王の新しい拠点「佑啓」の開設が示す未来志向のものづくり

花王株式会社は、社員一人ひとりの創造性を引き出し、共創力を育むために、新たな拠点「佑啓」を東京都墨田区に開設しました。この施設は、2025年11月18日にオープン予定です。「佑啓」は、花王が大切にしている理念を基に、社員だけでなく、生活者や取引先、学術機関といった多様なステークホルダーが集まり、共に学び、価値を創造する場を提供します。

佑啓の理念と設計

佑啓の背景には、1998年に設立された「佑啓塾」の精神があります。この名称は、先人の道を頼りに自己啓発し、共に高め合う場所であるという意味が込められています。佑啓は、これを基盤にしつつ、現代のニーズに応える新たな施設へと生まれ変わります。

新拠点は木造5階建てであり、各フロアはそれぞれ異なるテーマが設定されています。これにより、訪れる人々が自らの五感を使って「よきモノづくり」を体験できる仕組みです。

各階のテーマ

- 1階: Dialogue

誰もが自由に交流できる広場で、自然のぬくもりを感じられる環境です。

- 2階: Inspiration

先人の思想に触れることで、新しいアイデアの芽を見つけるスペースです。

- 3階: Design

「よきモノづくり」の本質を学び体験できる場所として、実践的な学びも提供。

- 4階: Value

価値を生み出す対話を行う空間で、異なる世代や部門間の協力を促進します。

- 5階: Future

未来を見つめながら、新たなビジョンを描くための展望フロアです。

環境への配慮

佑啓の設計には、東京藝術大学との連携により、人と人、自然とのつながりを意識したデザインが施されています。建設には福島県産の木材を使用し、CO₂の固定量は282.4トンに達しました。また、エネルギー効率を高めるために、高断熱Low-E複層ガラスを使用し、LED照明や昼光調光センサーも導入されています。これにより、年間のエネルギー消費を削減し、省エネ性能の高い「ZEB Ready」認証を取得予定です。