AI活用が変革する就職活動
近年、AI技術の急速な進展により、就職活動の現場は大きな変化を遂げています。特に、学びから職に至るまでをサポートする女性向けのキャリアスクール「SHElikes」を運営するSHE株式会社が実施した調査は、この転換点におけるリアルな声を浮かび上がらせています。調査は全国の就職活動中の大学生と企業の採用担当者からの意見を収集し、AIを活用した就活や採用の実態を明らかにしました。
調査の背景
SHEが調査した背景には、エントリーシート(ES)の作成や自己分析においてAIが利用される割合が急増している事実があります。具体的には、学生たちがChatGPTを含む生成AIを利用して、エントリーシートの作成や面接対策を行っていることが挙げられます。同時に、企業もAIを導入して書類をスクリーニングし、面接を行うといった状況が進行中です。このような背景から、就活生と採用担当者の双方から、AI利用によって本音が見えにくくなっているとの意見が寄せられています。
調査方法と概要
調査はWebアンケート形式で実施され、対象となったのは全国の就活生200名と採用担当者153名、合計353名です。調査期間は2025年12月5日から12月9日となっています。調査の結果、AI技術の活用が進む中で、学生側からはエントリーシートが「本音とズレている」と感じている声が多数見受けられました。また、採用担当者はAIによる文章では候補者の人柄が見えにくいと感じていることが分かりました。
調査結果の詳細
調査結果によると、就活生の約60%がAIを使用してエントリーシートを作成していると回答しており、特に「部分的なAI活用」が主流であることが確認されました。彼らの中には、「AIで整えた回答は本音からずれている」という意識を持った人も多く、自分が主体的に就活を行っているという実感を持てなくなっているという声が上がりました。
一方、採用担当者も約60%が「AIでは人柄や価値観が見えにくい」とした上で、本音を引き出す難しさを感じています。このように、AIによる効率化が進む中で、就活生と採用担当者の両者に“本音が掴みづらい”といった共通の課題が存在することが示されました。また、面接において、AIが作成した部分を深掘りされた際に答えられず、詰まってしまった就活生が約43%にのぼりました。
面接と選考プロセスの変化
AIによる書類選考が進む一方、面接は「深掘り面接」で選考を行う傾向が強まっています。採用担当者の多くは、AI技術を使ってスクリーニングした後、最終的な判断を対話の中で候補者の人柄や本音を直接確認するプロセスに重きを置いていく必要があると考えているようです。
重要視されるスキル
就活生はAI時代に求められる力として「コミュニケーション力」「本音で話す力」「自己理解」を挙げ、採用担当者も「人柄」「価値観」「主体性」を選考基準に重視しています。このように、AIに任せる部分と自分で向き合うべき部分の明確化がますます重要になってきています。
SHEによる新たな取り組み
これらの調査結果を受けて、SHEではAI時代の就活生に向けたオンラインイベントを開催します。イベント名は「AI時代の就活で、人事はどこを見ている?人事のホンネと一緒に考える『私らしい働き方』の見つけ方」で、参加者は人事からのリアルな視点を学び、自分の価値観を明確にするヒントを得ることができます。
まとめ
AI活用が進む就職活動においては、技術が便利である反面、就活生と採用担当者の本音が摩擦を生む可能性を孕んでいます。「自分の言葉で語る力」が求められる今こそ、各自の価値観を明確にすることが必要です。SHEの取り組みが、多くの就活生にとって自分の軸を見つける手助けとなることを期待しています。