生成AI時代のITエンジニアの働き方
株式会社サーバーワークスは、東京都新宿区を本拠地として、ITエンジニアを対象とした生成AIの働き方やスキルの変化に関する調査を行い、その結果を発表しました。この調査は、全国の20歳以上のITエンジニア264名を対象に、インターネットを通じて実施されました。
調査結果の概要
調査によれば、生成AIの導入に伴い、業務内容が「大きく変化した」と回答したエンジニアは31.4%、 「やや変化した」と回答したのは51.9%に上り、合わせて8割以上が何らかの変化を感じていることが確認されました。
また、求められるスキルに関しても「とても感じている」が26.1%、「やや感じている」が57.6%と、こちらでも8割を超えるエンジニアが変化を実感しています。
興味深いことに、生成AIについての認識では、約4割の人が脅威と感じており、一方で約3割は相棒のように考えていることが分かりました。この結果は、エンジニアたちが生成AIにどのような期待と懸念を抱いているかを浮き彫りにしています。
生成AIの影響と働きがい
生成AIの利用によって、働きがいが「上がった」と回答したエンジニアは14.8%、また「やや上がった」と感じたのは28.0%あり、4割以上の人がポジティブな影響を受けているとのことです。しかし、最も多い回答は「変わらない」で53%でした。このことは、短期的には生成AIが効率的な働き方を提供しつつ、長期的には脅威としての認識もあることを示しています。
具体的には、生成AIの利用により「テストコードの生成」「ドキュメント作成」「定型的なコード記述」などの業務で時間が減少したと感じるエンジニアが多いことが分かりました。一方で、AIへの指示や生成物のレビュー、新しい技術の学びには時間が増加したと報告されています。
将来に求められるスキル
調査では、生成AI時代に最も重要になるスキルとして「AIツールの活用スキル」を挙げるエンジニアが24.6%で最も多く、次いで「論理的思考力」や「プロンプトエンジニアリング」なども注目されています。また、非技術スキルの必要性を感じるエンジニアも8割以上に上ることが示され、生成AI時代における人間の役割の変化が迫られていることが示唆されています。
サーバーワークスの取り組み
このような現状を踏まえ、サーバーワークスでは生成AIの利活用を促進し、AIを競合するものではなく共に価値を創造する存在と位置付けています。そのために、企業の開発力向上を目指した「AI駆動開発業務トレーニング」や、AWSの公式トレーニングを提供し、実践的なスキル獲得を支援しています。
さらに社内では、生成AIトレーナーBotを導入して教育の質を向上させる取り組みも行っており、積極的に自社の技術ブログでの情報発信を行っています。これにより、生成AIという新しい「相棒」と共に、協働して創造的な仕事に集中できる環境を構築し、企業成長を目指しています。
結論
サーバーワークスの調査結果は、生成AIがITエンジニアの働き方やスキルに与える影響を示す重要なデータを提供しています。エンジニアたちがこの新しい技術とどのように向き合い、どのように自らのスキルを磨いていくのかが、今後の業界の発展において重要なカギとなるでしょう。