新たな挑戦、建材ロス問題解決の第一歩
現代社会における環境問題は多岐にわたり、その中でも特に注目されているのが建材ロス問題です。建設業界においては、毎年約1億トンもの建材が新品のまま廃棄されているという現実があります。この問題に取り組む新たな動きが、秋田県由利本荘市の株式会社宇七工務店から発表されました。
建材ロスの実態とは
建材ロスとは、発注された資材が工事に使用されることなく廃棄されることを指します。現場では、作業ミスや不測の事態に備えて予定より多めに発注することが一般的。その結果、余った木材やタイル、壁紙など約70%が廃棄されてしまっています。このような状況は、環境への負荷を増大させ、資源の無駄を招いています。発生した建材の処理コストが、保管や再資源化よりも廃棄処分の方が安く済むため、廃棄が選ばれることが多いのです。
宇七工務店の取り組み
宇七工務店は、この問題に対して新たな解決策を模索しました。彼らが2023年11月14日より受注生産を開始するのは、『社づくり風お札立て』です。この商品は、使用されずに残った秋田杉の未使用の廃材を活用し、持続可能な形で制作されます。なお、商品のラインナップとしては甲・乙・丙の3つのシリーズが用意されています。
商品の詳細
- - 甲シリーズ: 緩やかな曲線を持つ典型的な三角屋根、朱色に塗られた鳥居が特徴的。価格は480,000円(税抜)。サイズは高さ68cm、横幅76cm、奥行き70cmで、製作日数は約2週間。
- - 乙シリーズ: 無塗装の鳥居を配したシンプルなデザイン。
- - 丙シリーズ: 曲線屋根のみのシンプルな造り。
- - プレミアムシリーズ: より複雑な多棟型の屋根を持つ入母屋づくりで、特注対応となり、製作費は630,000円(税抜)です。
これらの製品は、いずれも美しい秋田杉を使用し、縁担ぎで部分的に他の木材によるオーダーも可能です。さらに希望者には、宮司によるお清めも行われるサービスが提供されます。
開発の経緯
このプロジェクトは、秋田杉の未使用廃材を利用して家族や友人に喜ばれるものを作りたいという思いから始まりました。代表の佐藤巧さんは、従兄弟の新築祝いの欲しいものリストを見て、お札立ての需要を発見。この商品で、家族みんなを笑顔にすることができると考えました。
未来への展望
物価上昇が続く今、建材の処分が安易に行われてしまう現状に対し、宇七工務店は心を痛めていました。未使用の廃木材を活用することで、建材ロスの縮小に貢献し、多くの人々に愛される商品に成長させることが目標です。今後も、このような試みを通じて、地球環境への配慮を忘れず、社会に対して良い影響を及ぼす存在でありたいと考えています。
注文方法と会社概要
社づくり風お札立ての注文は、E-mail(
[email protected] )から受け付けています。興味を持った方はぜひご連絡を。
このように、宇七工務店は新たな商品を通じて、建材ロス問題の解決に向かって前進しています。今後の展開に期待が高まります。