ケル株式会社とイリソ電子工業が共同で新しい車載用コネクタを開発
ケル株式会社とイリソ電子工業が、車載用小型同軸コネクタの共同開発に成功したことを発表しました。この新しい製品は、特に高度化が進むAD/ADAS市場のニーズに応えるもので、市場での重要な役割を果たすことが期待されています。
開発の背景と目的
近年、自動車業界では先進運転支援システム(ADAS)の普及が加速しており、その結果として車両間でのデータ通信の高速化と広帯域化が求められています。ケル株式会社は、東京都多摩市に本社を置き、産業用コネクタの専門メーカーとして、1962年の創業以来、卓越した技術と製品開発に力を入れています。一方、イリソ電子工業株式会社は、神奈川県横浜市に本社を置き、車載市場のコネクタ開発におけるリーディングカンパニーとして知られています。
この両社の協力により、ますます要求される高性能を実現するため、車載用小型同軸コネクタの共同研究と試作開発が行われました。このコネクタは、9GHzまでの高周波帯に対応し、AD/ADASシステムの高度化に大きく寄与するものです。
共同開発の内容
新型の車載用小型同軸コネクタは、以下の特性を有しています。
1.
コンパクトなデザイン: 基板側のサイズは12.4×10.7×14.8mm、ケーブル側は11.45×9.1×20.65mmで、スペースが限られるECUへの高密度実装に適しています。
2.
高周波特性: 最大9GHzまでの周波数帯域に対応しており、AD/ADASシステムと各種センサーとの接続において、迅速かつ高品質なデータ通信を実現します。
3.
防水性能: 車載用という過酷な環境でも使用できる防水機能を持ち、信頼性の高い接続を提供します。
4.
スルーホールリフロー実装対応: これにより製造プロセスの柔軟性が向上し、コスト削減にも寄与します。
主な用途
新型コネクタの主な用途には、AD/ADAS制御ユニットとセンサーの接続、通信ユニットとアンテナの接続、さらにさまざまなECU間での同軸ハーネス接続が含まれます。これにより、自動車の安全性や運転支援機能が一層向上することが期待されます。
今後の展望
両社は、試作品の評価および量産準備を2025年度内に行うことを計画しており、今後の展開に期待が寄せられています。現時点では2025年度の業績への影響は軽微とされていますが、開発の進捗次第ではより大きな影響も考えられ、開発状況や事業化の情報は随時公開される予定です。
会社情報
ケル株式会社
ケル株式会社は、幅広い市場に向けたオリジナルの高信頼性コネクタを提供しています。 URL:
https://www.kel.jp/
イリソ電子工業株式会社
イリソ電子工業は、車載市場で築いた技術力を生かし、全ての電子機器に関連する製品開発を行っています。 URL:
https://www.irisoele.com/jp/
この共同開発は、自動車業界における技術革新の一環として、今後の車載コネクタの進化を牽引する重要なステップであり、期待が高まっています。