焼肉店の倒産
2025-09-02 10:32:20

2025年の焼肉店倒産が高水準、原材料費高騰と競争激化が影響

焼肉業界の危機:2025年の倒産状況とは



2025年の1月から8月にかけて、焼肉店の倒産件数が32件に達しました。これは過去最多だった前年に並ぶ高水準で、特に中規模の焼肉店が苦しむ姿が目立っています。中でも、負債が1億円以上の事例が27.6%を占め、過去最高となりました。

具体的な状況を見ていくと、焼肉店が直面する主要な要因は、原材料費の高騰と競争の激化です。コロナ前に比べて焼肉コストが1.3倍にまで上昇しており、特に輸入牛肉の価格が大きな影響を与えています。人気の牛肉部位の平均価格は、2020年から7割以上上昇し、野菜類の価格も同様に上がってきました。その一方で、消費者は価格に敏感であり、焼肉店は値上げを行いたくとも客離れを恐れ、なかなか実行できずにいます。

競争環境は厳しさを増しており、特に駅前などの集客力がある場所に多くの新規店舗が開店しています。大手チェーンが強みを持つ中で、リーゾナブルな価格での勝負を強みとする店舗は、残念ながら厳しい選択を余儀なくされています。それに加え、高まる運営コスト、特に電気・ガス代や人件費も経営の足かせになっており、これらが重なることで事業の継続が難しくなっています。

例えば、「北海道焼肉プライム」を運営していた中小企業は、インバウンド需要が戻りつつあるにもかかわらず、依然として採算が悪化しているとのことです。原材料費と人件費の上昇に加えて、コロナ融資の返済が始まることで、再生の道を断念した事例も出てきています。

今後の見通しについてですが、焼肉業態は競争が続き、大手チェーンは価格アップを図ると共に、羊肉を主軸としたジンギスカン業態へシフトするなど、多角的な展開を進めています。また、原材料費の高止まりや店舗運営コストの増加が続く現状では、倒産件数は高水準を維持することが予想されています。

焼肉業界の未来は厳しい状況にあり、消費者のニーズと原材料費、競争のバランスをどのように取っていくかが、今後の重要なテーマとなるでしょう。特に中小規模の焼肉店は、独自の強みを活かしつつ生き残りを図る必要があります。彼らの努力と革新が、焼肉文化を支える鍵となることでしょう。


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会社情報

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株式会社帝国データバンク
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東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000

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