岩手県山田町での新たな試み
岩手県下閉伊郡山田町に拠点を置く一般社団法人ブレスユーは、東京都港区を本社とする株式会社BLOCKSMITH&Co.と協力し、シングルマザーを対象とした新しい働き方の支援事業を立ち上げました。これは、スマートフォンで簡単に参加できるクイズアプリ『QAQA(カカ)』を活用した、遠隔就労支援の取り組みです。これにより、特に被災地となった山田町において、シングルマザーが抱える様々な課題に対処しようとしています。
地域の背景とシングルマザーの現状
2011年の東日本大震災から多くの時間が経過したものの、山田町は依然として人口減少や就労機会の不足という厳しい状況に直面しています。特にシングルマザーの方々にとって、子育てや生活の制約から、在宅で柔軟に働く環境が不可欠です。これまで、ブレスユーはPCスキルの研修などを通じて支援を行ってきましたが、利用者の中にはスキル習得の前段階で不安を感じる方も多く、その声に応える形で新たな施策が必要とされていました。
新しい取り組みの価値
そこで、スマートフォンのみで気軽に始められる『QAQA』のモニター業務を提供し、在宅勤務の新しい選択肢を提案しました。この取り組みでは、参加者がゲームを通じてポイントを稼ぎ、それを報酬に換えることができます。また、これにより自身の意見や感想がアプリ改善に活かされることも大きな魅力となっています。
具体的には、以下の3つのポイントで支援を行います。
1.
アプリのプレイとフィードバック
『QAQA』アプリを楽しむことで参加者はゲームのフィードバックを行い、その思いをアプリ開発者に伝えます。
2.
スキマ時間を活用
子育てや介護といった日々の負担と両立しやすい働き方を実現し、参加者は自身の生活に合わせた形で手軽に働くことができます。
3.
伴走支援
ブレスユーが参加者をサポートし、少しずつ働くことへの自信を育てていきます。このプロセスは特に意義深く、利用者に安心感を提供します。
目指す未来
ブレスユーがこの取り組みを通じて目指すのは、単なるお仕事の提供だけではありません。過去に「自分にはできない」と感じていた方々が、小さな成功体験を積むことで自分の未来を新たに描く手助けをすることです。彼女たちにとって、デジタル就労の可能性は地方に暮らす人々にとっても現実のものとなり得ます。そして、それはこの地域の女性たちが「私らしい働き方」を作り出す力を持つというメッセージでもあります。
経済的循環と社会参加の実現
さらに、BLOCKSMITH&Co.の執行役員である山本暢世氏は、テクノロジーが持つ力によって社会的な制約を乗り越えられると語ります。『QAQA』を通じて、参加者が自宅で柔軟に働くことができる仕組みを提供します。貢献した分が報酬として還元される体験は、地域にとっても経済的な循環を生むことに繋がります。
最後に
この新しい働き方が、岩手県山田町のシングルマザーにとって自立や自己肯定感の回復を促進する機会となることを期待しています。今後も、ブレスユーは企業や地域社会と連携しながら、地方に住む女性たちの支援を続け、孤立や貧困の問題に立ち向かっていく所存です。