医師2500人調査から浮かび上がる患者デジタル健康記録の活用可能性
最近、株式会社日経BPと国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が共同で行った調査により、医師たちがデジタル健康記録の活用に対して非常に前向きであることが示されました。この調査には2500人の医師が参加し、ヘルスケアサービスの現状や利用意向について意見が集められました。
調査結果によれば、8割以上の医師が、患者が所有するデジタルデバイスから収集される健康データに対して診療や治療で活用する意向を持っていることが明らかになりました。このような傾向は、患者自身がデジタル技術を用いて健康管理を行うことが浸透していることを示しています。
ヘルスケアサービスの現状と必要性
現在、ヘルスケアに関しては多くの製品やサービスが市場に出回っていますが、その中には科学的エビデンスに乏しいものも少なくありません。このため、AMEDは経済産業省と共に、ヘルスケアサービスの信頼性を確保するための活動を始めました。具体的には、「予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業」と呼ばれるプログラムが進行中であり、医学会によるエビデンスの整理が行われています。これにより、より信頼性の高いヘルスケアサービスの開発が促進されることが期待されています。
医師たちの期待と新しい可能性
調査では、医師が医学会が策定した「指針」に基づいて開発されたサービスに対しても高い期待を寄せていることが分かりました。具体的には、ウェアラブルデバイスやスマートフォンを用いた健康管理が、医療現場での診療を補助する新たなツールとして位置づけられています。このようなデジタルヘルスケアサービスは、患者の自己管理を支援し、医師とのコミュニケーションを促進する重要な役割を果たすでしょう。
一般生活者の現状と課題
一方で、一般生活者に対する調査結果も注目に値します。生活者のデジタルヘルスケアサービス利用率は依然として低く、現時点で利用している人は1割にも満たないことが分かりました。しかし、調査対象者の約4割が利用意向を示しており、利用を促進するための指針が役立つ可能性が示されています。
未来の可能性
AMEDのヘルスケア研究開発課では、医療現場のデジタル化が進む中で、医師たちの期待に応えるために、年内にもさまざまな「指針」を公表する予定です。これにより、デジタルヘルスケアサービスの開発や利用が進むことが期待されます。そして、これらのサービスがどのように医療現場や生活者の日常に取り入れられるのか、今後の動向が注目されるところです。
まとめ
医師たちのデジタル健康記録の活用に対する前向きな姿勢と、一般生活者における利用意向の潜在的な期待が融合すれば、新たなヘルスケアサービスの展開が見込まれます。これからのデジタル技術を活用したヘルスケアサービスの進展が、私たちの健康管理のスタイルをどのように変えていくのか、目が離せません。