新世代加速度センサ
2025-03-05 17:20:16

STマイクロエレクトロニクスが発表した加速度センサ搭載機器の新時代

STマイクロエレクトロニクスの新技術



最近、STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)が画期的な慣性計測ユニット「LSM6DSV80X」を発表しました。このユニットには、最大16gおよび80gの異なる検出範囲を持つ加速度センサが搭載されており、最大4000dpsの速度で動作するジャイロセンサ、さらに組込みAIが統合されています。この新製品は、特にウェアラブルやスポーツ用トラッキングデバイスにおいて、ユーザーの活動をより正確に測定・分析することが可能となります。

幅広い適用可能性



LSM6DSV80Xは、わずかな動きから激しい衝撃まで、さまざまなイベントを高精度で測定することができます。たとえば、低gの加速度センサは、ウォーキングやランニング、さらにはジェスチャベースの操作を識別するために利用されます。一方、高g計測は、従来のセンサでは正確な測定が困難だった衝撃を伴う動きを捉えることができます。

このユニットは、スプリントやジャンプなどのスポーツでの応用が期待されています。特に、下り坂でのランニングや高強度のプライオメトリックトレーニングでは、30gを超える衝撃が加わりますが、LSM6DSV80Xを利用することで、これらの重要なデータを低コストで簡単に記録することができます。また、ボクシングでは衝撃が60gを超える場合もありますが、このセンサを使用することでアスリートは安全性を維持しながら自分の体力を向上させることができます。

テクノロジーの進化



LSM6DSV80Xには、先進的なMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)加速度センサおよびジャイロセンサが内蔵されており、さらにデジタル処理技術も組み込まれています。これにより、空間内での方向及びジェスチャの検出が可能となり、ユーザーの動きをより詳細に把握することができます。特に、STの独自機械学習コア(MLC)とステートマシン(FSM)によるエッジ処理は、消費電力を抑えつつ高いパフォーマンスを実現します。

データをローカルで処理するため、ユーザーの活動を自律的に分析し、ホストへの通信データを減らして、より迅速な反応と低消費電力を実現しています。この特性により、アスリートはトレーニングの精度を高めることができます。

入手可能性とサポート



LSM6DSV80Xは、ST MEMS Studioによる包括的なサポートを受けており、開発者はグラフィカル環境を通じて簡単にセンサを設定することができます。また、アダプタボードを介してLSM6DSV80Xをホストと通信できる評価ボードも低コストで提供されています。

現在、LSM6DSV80Xはサンプル出荷中であり、コンパクトな14ピンLGAパッケージ(2.5 x 3 x 0.86mm)での提供が行われています。2025年4月には量産が開始される予定です。価格やサンプル提供に関しては、STのセールスオフィスまたは販売代理店にお問い合わせください。

STマイクロエレクトロニクスについて



STマイクロエレクトロニクスは、50,000名以上の従業員を抱え、先進的な製造設備を持つ世界的な半導体メーカーです。同社は、スマートモビリティや電力エネルギー管理を強化し、持続可能な社会の実現を支える技術の開発に尽力しています。また、2027年までにカーボンニュートラルの達成を目指しています。詳しい情報は、STの公式ウェブサイトをご覧ください。


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会社情報

会社名
STマイクロエレクトロニクス
住所
東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟
電話番号
03-5783-8220

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