高知市での竹の魅力を発見する体験
2025年8月17日、子どもたちが市民となるユニークな街「とさっ子タウン2025」で、竹の可能性を感じる特別なワークショップが開催されました。このプログラムでは、明治27年(1894年)創業の竹製品専業メーカー、竹虎が運営する虎竹花籠作り体験が行われ、参加したのは6名の小学生です。
とさっ子タウンの魅力
「とさっ子タウン」は、高知市で小学生を対象にした教育プログラムで、子どもたちが市役所や銀行、飲食業など、多様な仕事を体験しながら社会の仕組みを実際に学ぶ場です。子どもたちは自ら議会を開き、ルール作りに参加し、協力しながら自分たちの街を運営します。この活動を通じて、地域への愛着や社会参加の意義を実感していくことが目的です。
虎竹花籠作り体験
ワークショップでは、高知県須崎市の特産である虎斑竹(とらふだけ)を使って、伝統的な編み方「四海波(しかいなみ)」による花籠作りに挑みました。「四海波」は穏やかな波が四方に広がる様子を表現した意匠で、天下泰平や子孫繁栄を願う縁起物として広く親しまれています。この技法は、構造的にも優れた安定性を持ちつつ、美しさと実用性を兼ね備えています。
子どもたちが手がける花籠は、それぞれが独自の模様を持ち、個性あふれる作品に仕上がりました。自分だけの花籠ができ上がった瞬間、子どもたちの顔には笑顔が溢れ、達成感を感じている様子が印象的でした。
多彩な学びの場「とさっ子アカデミー」
「とさっ子アカデミー」には、竹虎のワークショップの他にも、ミャンマー語の授業や勾玉作り、バルーンアート教室など、さまざまなプログラムが展開されます。これにより多くの子どもたちが参加し、賑やかな雰囲気の中で学び合いました。竹虎のブースも、すぐに定員が埋まるほどの人気でした。
子どもたちへの指導
竹虎では、若手職人が子どもたちに技術を教えるという貴重な体験をしました。普段は製品を作ることに専念している職人にとって、このような教育的立場に立つことは新鮮であり、特に小学生への指導では伝え方やダイレクトなコミュニケーションが求められました。この経験は、職人にとっても自己の成長につながる1日になったことでしょう。
竹の持つ未来性
竹はその成長スピードが速く、わずか3か月で20メートルに達する持続可能な天然資源です。伐採後でも再生が早く、環境への負荷が少ないことから、SDGsの観点からも注目されています。今回の花籠作りを通じて、子どもたちが竹の文化や自然環境の大切さを理解し、大切に使う心を育むきっかけになることを願っています。
今後も竹虎は地域連携を図りながら、竹の魅力を次世代へと伝える教育活動を積極的に行っていく意向です。