留学生と学ぶ社会の視点
2025-07-04 13:30:52

フランス人留学生との交流が生む新たな社会の視点と学び

社会を問い直す『ブルシット・ジョブ』の考察



大阪経済大学経済学部の鈴木隆芳教授が主導するゼミでは、毎年、フランス人留学生を迎え入れ、学生たちに様々な視点を提供しています。今年も新たに3名の留学生が参加し、彼らとゼミ生たちが共に成長する貴重な機会となりました。

今年のテーマは、デヴィッド・グレーバーの著書『ブルシット・ジョブ』で、意味のない職業について考察することです。ゼミ生は留学生と一緒に2〜3人のグループに分かれ、言語の壁を乗り越えながら意見を出し合い、発表に向けた準備を進めました。

『ブルシット・ジョブ』とは、考える価値がない、または正当化できないほど無意味な職業のことで、特に被雇用者自身もその存在を疑問視する内容が議論されています。例えば、他人に仕事を割り当てるだけの“タスクマスター”や、ただ雇われるためだけの無駄な業務が挙げられるでしょう。この考え方は、今後の就職活動を控える学生にとって、社会の本質を見つめ直す絶好の教材となります。鈴木教授は、この概念が学生たちに新たな視点を与えることを期待しています。

ユニークな発表形式とコミュニケーションの深化



ゼミの発表形式は一風変わっていて、一般的なPowerPointを使用するのではなく、事前に録音した会話をスライドに合わせて流すというスタイルです。これにより、学生たちの発表はまるでコントのようなクリエイティブな形式で行われ、作品には全てオリジナルのセリフが使われています。

留学生が日本語で頑張って話す姿は、見ているこちらまで感動させます。さらに、学生たちは伝えたいメッセージがわかりやすくなるよう、日本語と英語、フランス語を交えながら工夫を凝らしました。このような形式にすることで、留学生とゼミ生は相互理解を深めることができ、コミュニケーションの活性化に寄与しています。

期待以上の学びをもたらした交流



留学生の一人であるカンタンさんは、特に興味深い具体例を挙げました。それはフランスの原子力潜水艦の製造施設に関するもので、そこでの技術者たちの提案が、専門的知識を持たない管理職のプライドによって却下されてしまう状況を紹介します。このことは、まさに「ブルシット・ジョブ」に起因する問題であり、日本にはないフランスならではの視点を学べた鈴木教授は「期待以上の発見があった」と喜びを表しています。

留学生たち自身も発表を終えた後に「自分の考えがどれだけ伝わったのか不安だった」と語りつつ、「サポートを受けながら、非常に有意義な経験になった」と充実した表情で語ってくれました。ゼミ生たちからも「留学生が多くの意見を出してくれて良かった」との声が聞かれ、互いに良い影響を与えたことが感じられます。

差別化するスタンスをもったゼミの活動



留学生たちは、7月の帰国を控えていますが、ゼミ生たちは秋に控えるZEMI-1グランプリに向けて、「ブルシット・ジョブ」に関する考察を深めていく予定です。この交流を通じて成長したゼミ生たちが、グランプリでどのような成果を上げるのか、今から楽しみです。留学生とのコラボレーションがもたらした新たな学びは、彼らの未来をより豊かにしていくことでしょう。

現代の学生たちが、グローバルな視点を持った市民として成長する姿は、まさに教育の真髄とも言えます。大阪経済大学の鈴木ゼミは、今後も多様な背景を持つ学生たちとの交流を続け、より深い学びを追求していくことでしょう。


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