近畿大学病院では、2025年11月の新設に向けて小児科テラスの空間をアートで豊かにしようとする画期的なプロジェクト「フェンスの森」が進行中です。この取り組みは、アートと医療を融合させた新しい療養環境の創出を目指しています。
フェンスの森とは
「フェンスの森」は、近畿大学文芸学部と共和鋼業株式会社が共同で開発した金網アート技術を活用して作られるグラフィックフェンスの作品です。この作品は、全長30メートル、高さ3メートルの大作で、小児科テラスを囲む形で設置されます。森の風景を描くことで、無機質な病院環境を和らげ、子どもたちに安心感を与えることを目的としています。
参加者との共同制作
このプロジェクトのユニークな点は、地域と連携したワークショップの開催です。小児科の患者や地域の福祉施設、学校など、多くの方々が参加し、一緒に作品を制作します。2025年7月には、近畿大学附属小学校や地区の社会福祉法人などでパーツの制作が行われる予定です。子どもたちが自らの手で作ったアートが彼らの療養環境を彩ることで、特別な意味を持つでしょう。
アートがもたらす治療効果
医療空間にアートを取り入れることによって、視覚的に心地よい環境が整います。研究によれば、アートは子どもたちの精神的な安定を促す一方、ストレスの軽減や回復を助ける効果があるとされています。「フェンスの森」は、その特性を活用して子どもたちの療養を支援する新しい試みであり、地域と医療が連携する重要な場ともなっています。
未来への展望
制作したフェンスは、2025年秋以降に近畿大学病院へ設置される予定です。この取り組みが成功すれば、今後もさらに多くの医療施設でアートを取り入れた療養スペースの開発が期待されます。アートと医療の融合は、単なる視覚的な美しさを超え、地域社会と子どもたちの健康を新たに考え直すきっかけとなるでしょう。
参加方法とワークショップのスケジュール
ワークショップへの参加は、一般からも受け付けています。参加者は、近畿大学や福祉施設、地域の学校に通う子どもたちです。具体的な日程は、以下の通りです:
- - 近畿大学附属小学校:2025年7月1日~4日
- - 社会福祉法人青山会:2025年7月1日~4日
- - 東大阪市立楠根小学校:2025年7月1日~18日
このプロジェクトにより、アートを通じた新しい地域連携の形が生まれ、病児の療養環境が一層豊かになることが期待されています。近畿大学病院の「フェンスの森」プロジェクトは、未来の医療とアートの関係性を考える良い機会となるでしょう。