兵庫教育大学が発表した新刊「日本型STEAM教育の理論と実践」
兵庫教育大学が新たに刊行した書籍「日本型STEAM教育の理論と実践-デザイン思考で未来を創る学び-」は、教育界に新たな風を吹き込む一冊です。日本においてSTEAM教育、すなわちScience, Technology, Engineering, Arts, Mathematicsを統合的に学ばせるための新しいアプローチの重要性が増していますが、諸外国に比べるとその展開はまだこれからという現状があります。この書籍は、兵庫教育大学の教員養成課程の取り組みとして開発された「J-STEAM」モデルをベースに、日本の教育現場での実践例と、その背後にある理論を詳しく紹介しています。
STEAM教育の重要な要素
本書では、子供たちに現実社会の問題に立ち向かわせ、解決策を創り出すことを目的としています。そのためには、デザイン思考を用い、情報活用能力を生かしたデジタルツールの利用や、デジタルものづくりが重要な役割を果たします。こうした学びは、単なる知識の獲得にとどまらず、創造力や問題解決能力を育むことに寄与しています。
教育環境の変革
STEAM教育には、創造的な学習環境が不可欠です。本書に登場するSTEAM Labは、子供たちが自由に学び、実験し、試行錯誤を重ねる場として設計されています。この環境では、情報技術が重要な役割を果たし、学生は様々なデジタルツールを駆使して、リアルな問題解決に取り組みます。
教員養成の視点
また、本書ではSTEAM教育を実践できる教師を育成するための教職科目「STEAM教育概論」や「STEAM教育演習」についても詳述されています。教育現場での具体的な実践例を用いることで、新人教員がSTEAM教育の理念を理解し、実践できるようなカリキュラムが設計されています。これにより、教育の質の向上につながり、より良い教師が育成されることを目指しています。
各章の見どころ
書籍は以下の7章から構成されています。
- - 第1章 日本型STEAM教育の考え方
- - 第2章 新しい学習環境STEAM Labと情報活用能力の考え方
- - 第3章 附属幼稚園におけるSTEAM教育の展開
- - 第4章 附属小学校におけるSTEAM教育の展開
- - 第5章 附属中学校におけるSTEAM教育の展開
- - 第6章 加西市との共同研究におけるSTEAM教育の展開
- - 第7章 教職課程におけるSTEAM教育科目の開発
これらの章を通じて、STEAM教育の展開方略やその理論的背景について深く理解できる内容となっています。実際の教育現場での取り組みを事例として示すことで、読者が具体的なビジョンを描く手助けをしています。
結論
「日本型STEAM教育の理論と実践」は、教育現場での実践を通じて未来を一緒に創造していくための手引きです。特に、STEAM教育に興味のある教員や大学生、さらには教育に携わる全ての方にとって必読の一冊となるでしょう。書籍は278ページで、2025年3月26日に発売予定です。購入は、
Amazon.co.jpにて可能です。これからの日本の教育の在り方を知るための一助として、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。