リハビリ職の賃上げ実態
2025-10-22 12:24:51
リハビリテーション専門職の賃上げ実態調査結果が示す課題と対応策
リハビリテーション専門職の賃上げ実態調査
日本理学療法士協会や日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会などから成るリハビリテーション専門職団体協議会は、令和7年度のリハビリテーション専門職に関する賃金引き上げの実態調査を発表しました。この調査は、現状の給与水準やその変動を把握することを目的としており、医療施設や介護施設、障害福祉施設を対象に行われました。
調査の背景と方法
この調査は、2025年7月1日から15日の期間に実施され、全国の施設から1,020件の回答を得ました。主な項目には現金給与総額の引き上げの有無、引き上げの理由、ベースアップ施策の実施状況などが含まれています。
現金給与総額の引き上げ状況
調査結果によると、リハビリテーション専門職の現金給与総額が引き上げられた施設は医療施設で66%、介護施設で43%、障害福祉施設で54%という結果でした。しかし、いずれの施設でも昇給が行われていない実態も見受けられ、医療施設の約3割、介護施設の約6割、障害福祉施設の約5割が給与引き上げを行っていないことが明らかとなりました。
ベースアップの実施率
さらに、ベースアップの実施率は極めて低く、医療施設で31%、介護施設で11%、障害福祉施設で16%と記録されています。この数字は、リハビリテーション専門職が抱える問題の深刻さを物語っています。調査参加者は、「処遇改善が一時的なものであり、持続可能な賃上げがなければ将来的な不安を感じる」との声を多く寄せました。
課題と要望
調査結果からは、給与の引き上げが実施されている施設でも、その額は限られていることが分かりました。多くの施設では、昇給が5,000円未満にとどまり、その影響が限定的なことを示しています。また、施設間の格差や業種間の不均等な取り扱いも指摘されています。
これらの課題を踏まえ、リハビリテーション専門職団体は、以下のような恒久的な対応策の実施を求めています。
1. リハビリテーション専門職の賃上げを確実に実現する施策の実施
2. 一時的ではなく、持続的な賃上げを可能にする制度の導入
3. 異なる施設間や職種間での公平性を確保する施策の実施
4. リハビリテーションサービスに対する基本報酬の引き上げ
これらの提案は、単にリハビリテーション専門職の待遇改善を目的とするものではなく、その能力やサービスの質を向上させ、患者により良いサービスを提供するための重要なステップです。
今後の展望
リハビリテーション専門職の処遇改善は、医療や介護、福祉業界全体にとって重要な課題です。この調査を契機に、さらなる賃上げ実現に向けた行動が起こることを期待します。
主催団体
調査を主催した団体は公益社団法人日本理学療法士協会で、会長の斉藤秀之氏が代表を務めています。彼らは今後も専門職の意見を反映させながら、賃金や労働条件改善に取り組んでいくことを宣言しています。
会社情報
- 会社名
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公益社団法人日本理学療法士協会
- 住所
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