新造船「竜王」
2025-07-16 11:00:39

新造船「竜王」が実現する環境に優しいセメント輸送の未来

環境に優しい新世代のセメント運搬船「竜王」



2025年6月27日、山口県に本社を構える富士海運株式会社が新造船「竜王」を竣工しました。本船は、業界でも最大規模を誇るセメント運搬船で、最新の省エネルギー技術を駆使した環境負荷低減を追求しています。特に、これまでの貨物船とは異なり、環境対応や船員の働きやすさを両立させた新たなモデルとして、多くの注目を集めています。

「竜王」は、全長113.25メートル、総トン数5,271トン、載貨重量7,505トンの内航貨物船であり、太平洋セメント株式会社のセメント輸送に従事します。この新船は、株式会社三浦造船所によって建造され、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共同で開発されたものです。

先進的なエンジンと推進システム



本船には、阪神内燃機工業製の低速4サイクル主機「LH46LAES」が採用されています。このエンジンは、NOxの排出を抑えつつ、優れた燃費性能を達成するためにミラーサイクル運転を採用しています。また、推進装置には新型高効率可変ピッチプロペラが取り付けられ、低摩擦の船尾管軸受と非接触型摩耗センサも搭載されています。この組み合わせが、エネルギー消費を大幅に削減することを可能にしています。

AIによる最適運航



「竜王」には、気象ビッグデータを活用した最適航海支援システムが導入されています。このシステムは、航路の選定から船速の自動調整までを一元的に管理し、常に最適なコンディションでの航行を可能にしています。これにより、燃料消費を効果的に抑えつつ、定時運航の実現にもつながっています。

安全性と効率性を兼ね備えた荷役装置



荷役設備には、圧送装置とスクリューコンベヤーを組み合わせたシステムが採用されています。この高効率システムにより、多品種・高品質なセメントの積み下ろしがスムーズかつ安全に行えるようになっています。また、荷役の制御運転に関しても細心の注意が払われ、品質管理や安全性の向上を図っています。

船員の快適性を重視した設計



船内の居住エリアには、全室にバス・トイレ完備の個室を設け、トレーニングルームも設置されています。長期の乗船にも配慮し、船員が快適に過ごせる環境を整備することで、健康管理や福利厚生の充実を図っています。

未来を見据えた新たなスタンダード



近年、海運業界では環境負荷低減と燃費効率の改善が求められています。「竜王」は、これらの要求に対して応える最新技術が結集された一隻です。セメントという社会の基盤を支える重要な資源の輸送を、より効率的かつ持続可能な方法で行うことが期待されています。今後の内航輸送における新しいスタンダードとしての役割を果たすでしょう。

本船の成功は、富士海運株式会社にとっても大きな意義を持つものであり、同社が環境と効率性を両立させることにどれだけ注力しているかを示す一例です。


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会社情報

会社名
富士商グループホールディングス株式会社
住所
山口県山陽小野田市稲荷町10-23
電話番号
0836-81-1111

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