次世代の国産IP脅威インテリジェンス「Senda-Nexus」の進化と展望
株式会社レインフォレストは、近年注目を集めている脅威インテリジェンスの分野で、独自の展開を行っている。その中心となるのが、NICTの観測データと同社が開発したハニーポットを活用した「Senda-Nexus」である。このシステムは、既存の脅威インテリジェンス基盤を補完する形で進化しつつあり、特にAI技術とOpenCTIとの連携強化が進められている。
Senda-Nexusの機能と特徴
Senda-Nexusは、IPアドレスに対する脅威文脈を可視化するためのインテリジェンス基盤であり、NICTからの観測データと自社開発のハニーポットによるデータを統合している。このシステムは、各観測ソースの情報を相互に突合し、IPアドレスに関連する観測ソースやその挙動といった文脈を付与することで、より深い悪性IP情報を提供する。
特に、Darknet上のTCP SYNスキャンや、高速スキャンの観測、さらにはMirai系の行動に関する関連情報を相関的に分析することが出来る点が注目に値する。これにより、ユーザーは特定のIPに対する具体的な判断材料を得ることが可能になり、リスク評価が飛躍的に向上する。
OpenCTIとの統合
新たに強化されたOpenCTIとの連携により、Senda-Nexusの情報をFeedやEnrichmentの形式で活用することができる。これにより、Senda-Nexusが提供するIP脅威情報がOpenCTIに統合され、既存のインテリジェンス基盤における脅威の理解が一層深まることが期待される。
たとえば、自社のハニーポットでの観測状況やDarknetでの挙動情報が追加されることで、脅威判定の精度が向上し、トリアージや優先度判断に役立つ。将来的には、AIエージェントが自動的に観測データを分析し、レポートを生成する仕組みも整備される予定だ。
AI for Security活用の拡張
「Senda-Nexus」はAI for Securityの活用も見据えており、MCP(Model Context Protocol)を通じたデータ連携が進められている。これにより、マルチエージェント構成を活用し、観測データの取得から分析、報告までの一連のプロセスが自動化される。
この機能が実現することで、Collectorが観測データを取得し、Analystがそのデータから脅威やリスクを解析し、最終的にReporterが分かりやすい形式で報告書を作成する流れが可能となる。これにより、セキュリティオペレーションセンター(SOC)やCSIRTの運用効率が向上し、即時対応が求められる場面でも迅速に対応できるようになるだろう。
可視化UIとその利便性
Senda-Nexusの可視化UIでは、観測情報が地理情報やASN情報、時系列トレンドと共に示されており、分析担当者が単一のIPアドレスの評価にとどまらず、継続的な観測に基づく傾向を把握できるようになっている。このリアルタイムな可視化は、単なるデータ表示に留まらず、重要な判断材料を提供し、セキュリティ分析業務を支援する。
展示会でのデモ
「Senda-Nexus」は、Interop Tokyo 2026において展示が予定されており、実際の操作画面やOpenCTIとの連携の様子が見られる機会となる。展示では、NICTと自身のハニーポットから得られた脅威インテリジェンスがどのように視覚的に表示され、実務においてどのように支援するかが紹介される。
今後の展望
株式会社レインフォレストは、今後もSenda-Nexusの機能強化を図りつつ、国内・独自の観測データに基づく実践的な脅威分析を進めていく計画だ。AIによる自動化された脅威インテリジェンスの高度化を目指し、さらなる運用支援の強化を進める。専門的な知見を活用し、意思決定を支える実用的な情報提供を行っていくだろう。
セキュリティ脅威が日々高度化する中、純国産の脅威インテリジェンスを提供する「Senda-Nexus」は、国内企業のセキュリティ対策において極めて重要な役割を果たすことが期待されている。今後の動向から目が離せない。