人間関係のリセットと年賀状文化の変化
株式会社クロス・マーケティングが2025年1月に実施した調査によると、人間関係のリセットを経験した人は全体の38%を占めています。特に女性においてその割合は44%に達し、今後リセットを希望する人は24%に上りました。今回の調査は、20歳から79歳までの幅広い年代を対象に、全47都道府県から2,400人が回答しています。
この調査から分かるように、人間関係重視度は依然として高いものの、2021年に比べてやや減少傾向にあります。一方で、特に60代から70代の高齢者層では人間関係を重視する比率が7割を超えています。30代ではその割合が55%と、特に若い世代では人間関係に対する意識が薄れているという結果には注目です。
リセットされた人間関係の具体例
実際に人間関係をリセットした理由について、最も多いのは「友人・知人」で60%という結果でした。この分野では、20代の女性が71%と高く、職場においては、70代男性が45%、50代女性が44%と、世代別の特徴が見られます。
不満の理由としては、友人・知人に対しては「面倒、うっとうしい、嫌になった」といったケースが多く、また職場の関係では「パワハラやいじめ」といった深刻な問題が指摘されています。家庭内においては「金銭問題」や「遺産相続トラブル」が挙げられており、これらの要因が人間関係のリセットを引き起こす背景として浮き彫りになっています。
リセットの手段
どのように人間関係をリセットしたかについては、「一時的に音信不通になる」「連絡先を消す」といった方法が多く見られました。特に20代から30代ではSNSを通じてのリセットが目立ちます。70代では、相手に直接「今後連絡しない」と口頭や電話で伝えるケースが多く、年代によって選ばれる手法の差が感じられます。
友人・親友の実態
調査によれば、友人がいるとする割合は68%で、平均で7人存在することが示されました。一方、親友のいる割合はわずか45%で、平均人数は2.6人と、親しい関係が少ない実態も浮かび上がります。こちらも70代での友人・親友の存在が高く、このことは交流の質にも影響しているのかもしれません。
年賀状文化の変化
興味深いのは年賀状の動向です。年賀状を送った、もしくは送る予定と回答した人は33%にとどまり、年代別によってこの割合は変化します。年賀状じまいをした人の割合は62%に上昇し、昨年からも9.3ポイント上昇しています。2024年からはがきの値段がアップすることも、年賀状文化の影響を強めていると考えられます。
まとめ
この調査を通じて、人間関係のリセットがもたらす影響や、年賀状文化の変化について多くの示唆が得られました。特に、SNSの普及が人間関係の断絶を容易にし、年賀状の文化がその存在意義を問われる時代に突入していることなど、現代のライフスタイルを反映した結果が浮かび上がっています。これからの人間関係やコミュニケーションのあり方について、私たち一人一人が見直す必要がある時期に来ているのかもしれません。