フードバンク活動を支える新基金造成の提言
一般社団法人全国フードバンク推進協議会が、国内のフードバンク活動を一層強化するために「新たな基金の造成」を提案しました。この提言は、減少する食品寄附と増大する支援要望に対する包括的な解決策を目指しています。
背景
2023年5月に改正された食料・農業・農村基本法では、食料安全保障の確保が新たな基本理念として掲げられました。しかし、長期化する物価高の影響を受け、全国のフードバンク団体では、困窮世帯からの支援要請が約8割増加しています。一方で、食品寄附は約3割の団体で減少しており、フードバンクにおける需要と供給のバランスが大きく崩れています。
特に、アメリカのフードバンクの年間食品取扱量が739万トンであるのに対し、国内はわずか1.3万トンと、570倍もの差があることからも、その不足が分かります。このような状況下で、フードバンクの役割を強化し、支援を必要とする世帯に十分な食品を届けるためには、公的支援による運営体制の強化が必要です。
フードバンク運営体制の強化
信頼できる運営体制は、食品の保管、運搬、配布の能力に直結します。それには人材を育成し、必要な資源を整えることが不可欠であり、欧米のように持続可能で強固なシステムを構築する必要があります。また、単年度の短期的補助ではなく、長期的な視点に基づいた支援が必要です。これにより、平常時の福祉支援だけでなく、災害時の迅速な対応も可能になります。
賛同団体の募集
全国フードバンク推進協議会では、「新たな基金造成に関する要望書」に賛同するフードバンク団体を広く募集しています。すでに110以上の団体が参画しており、近々、国会議員や中央省庁への提出を予定しています。
メディア関係者の同行取材や、要望書提出活動に関心のある方は、お気軽に協議会までご連絡ください。
調査活動と今後の計画
また、フードバンク団体の実態や企業とのコミュニケーション状況を調査するため、大阪公立大学大学院との共同でアンケート調査を実施する予定です。これにより、現場の実情をより正確に把握し、次の施策に活かすことを目指します。
お問い合わせ
一般社団法人 全国フードバンク推進協議会
[対応者] 代表理事 米山廣明
[TEL] 03-6912-9444
[Email]
[email protected]
[URL] https://www.fb-kyougikai.net/
フードバンク活動は、今後の生活を支える重要な柱としての役割を担っています。私たちもその一翼を担い、明日の食事に困る人のいない社会を共に作り上げていくことが求められています。