ペロブスカイト太陽電池による未来のエネルギー実証実験
広島県水素市で画期的なステップが踏み出されます。中電工業株式会社、 中国電力株式会社、YKK AP株式会社が共同で進める実証実験が始まりました。これにより、ペロブスカイト太陽電池を用いた建材一体型太陽光発電、通称BIPV(Building Integrated Photovoltaics)が実際の建物にどのように取り入れられるかを検証していきます。
この実証実験の舞台は、2025年4月にオープン予定の地域交流広場「ヤマヤマミタ」。ここでは、YKK APが開発した実証実験用ハウス「HIROSHIMA ZERO BOX」が設置され、地域の皆さんとの交流が図られます。このハウスは、西日本での初の試みとなります。発電性能や実用性を評価し、地域の脱炭素化における具体的なサービス展開の道を開こうという狙いがあります。
HIROSHIMA ZERO BOXの魅力
「HIROSHIMA ZERO BOX」は、主に既存の建物に内窓タイプの建材一体型太陽光発電を設置し、その効果を検証するために設けられています。この新しいタイプの太陽光発電は、設置が容易で、断熱性や遮音性を保持しつつエネルギーを得ることができるため、非常に期待されているのです。
内窓としてのペロブスカイト太陽電池を含むさまざまな太陽光発電デバイスが設置され、その発電によって得られた電力は、建物内の照明や空調に利用されます。これにより環境負荷の低減を図り、都市空間の有効活用を実現する新たなモデルとなるでしょう。
実証実験の詳細情報
この実証実験は、2025年12月4日から開始され、2027年3月31日までの予定です。開催場所は、広島市南区出汐にある「ヤマヤマミタ」で、平日10時から16時まで見学が可能です。団体での見学希望の場合は、事前に申し込みが必要となります。
実験内容には、ペロブスカイト太陽電池およびその他の太陽光発電技術の発電性能と実用性の検証が含まれます。また、地域住民や企業と連携し、脱炭素社会の実現に向けた具体的な活動が行われることが期待されています。
環境と地域交流の融合
この取り組みは、単に太陽光発電の実用化を目指すだけでなく、地域活性化にも寄与するものです。「ヤマヤマミタ」は、地域住民、学生、企業が集まり、共同してアイデアを交換し、新しい挑戦への一歩を踏み出す場となるでしょう。
こうした活動を通して、ペロブスカイト太陽電池が生活にどのように影響を与えるかを体感できる機会を提供します。そしてそれは、地域の環境保護や持続可能性への意識を高めるきっかけにもなるはずです。
地域の未来を共に創造するこの実証実験は、太陽光発電の新しい可能性を探る重要な第一歩と言えるでしょう。