後輩が上司に昇進、その影響と社会人の本音とは？

近年、社会人のキャリア形成において「実力主義」が浸透してきています。その結果、年下の後輩が先に昇進するケースが増えており、この現象についての調査が行われました。この記事では、300人の社会人を対象にしたアンケート結果をもとに、後輩上司の影響やその際の心境について考察します。

調査の概要

調査は2025年1月21日から2月4日まで実施され、参加者は20代から50代までの正社員で構成されました。調査対象は幅広く、年齢や性別を問わず実施されたため、結果として多様な意見が集まりました。

後輩が上司になる経験

アンケートの結果、54%の人々が後輩が自分の上司になった経験があると回答しました。この数字からも、年齢に関係なく後輩が昇進するのが一般的になっていることがわかります。特に、営業職や技術職では後輩が昇進する割合が高く、60%以上の人がその経験を持っていました。

一方で、企画や人事といった職種ではこの割合は約30%と低く、職種による明確な差異が見られました。実力がアップされやすい職種では、後輩が上司になることが多いようです。

後輩上司がもたらす転職意欲

次に、「後輩が上司になったら転職を考えるか？」という問いでは、52%の回答者が転職を考えないと答えました。しかし、41%の人々は「考える」と回答し、実際には後輩の昇進が転職意欲に影響を及ぼしていることが伺えます。特に、後輩の昇進によって半数近くの人が転職を考え始めたという結果は示唆的です。

転職を考える理由として最も多かったのは「自分が正当に評価されていない」と感じることでした。この感じ方は、特に昇進した後輩が自分よりも優れていると感じる場合に強まるようです。次いで「自分の能力と会社の求めるものが合致しない」といった意見も多く、評価制度によって自分が置かれている立場が明確にされることは重要な要素の一つだと言えるでしょう。

まとめ

後輩が先に昇進する現象は、職場の価値観や社員のモチベーションに多大な影響を与えています。この調査からは、昇進制度が実力に基づいている場合、後輩の昇進はむしろ肯定的に捉えられることが多いということも読み取れます。

社内の評価制度を見直す必要があると感じる場面も増える中、先輩と後輩の関係性がどのように変化していくのか、今後も注目していく価値があるでしょう。