オリンパス、内視鏡用製品の包装を環境に優しい素材に変更
2023年、オリンパス株式会社は、持続可能なソリューションを追求する米国デラウェア州のDuPont de Nemours, Inc.と手を組み、内視鏡用ディスポーザブル製品の滅菌包装を再生可能資源素材に切り替えることを発表しました。これは、環境配慮を重視し、持続可能な医療の実現に向けた重要なステップとなります。
環境に配慮した滅菌包装の導入
オリンパスは、約100種類に及ぶ内視鏡用ディスポーザブル製品の滅菌包装に、米DuPont社の「Tyvek® with Renewable Attribution(再生可能アトリビューション付きタイベック®)」を採用します。これにより、2026年から順次包装が切り替わる予定です。この新しい素材は、国際的な認証制度に基づく品質を維持しつつ、化石燃料由来の原材料の使用を削減し、CO2排出量を大幅に低減することを目指しています。
脱炭素・循環型社会への貢献
オリンパスは、ESG戦略(環境・社会・ガバナンス)を重視し、特に「社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献」に力を入れています。この取り組みの一環として、今回の協業が進められています。これにより、持続可能な医療を支える取り組みを強化し、さらなる環境への配慮が期待されます。
サヤード・ナヴィード氏(オリンパス執行役 チーフテクノロジーオフィサー)は、「私たちは持続可能な社会の実現に貢献する責任があります。再生可能アトリビューション付きタイベック®を採用することで、製品の品質を保持しながらCO2の削減を実現する重要な一歩を踏み出すことができました。」とコメントしています。
再生可能アトリビューション付きタイベック®とは
「再生可能アトリビューション付きタイベック®」は、医療用包装として既存の製品に直接導入可能なソリューションです。この素材は、化石燃料由来の原材料の一部を再生可能資源に置き換え、CO2排出量を顕著に削減することを目的としています。これにより、持続可能性の高い医療現場の実現に寄与することが期待されています。
デイビット・ドムニッシュ氏(米DuPont社バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー)は、「オリンパスとの協業を通じて、ヘルスケア分野における持続可能性向上に寄与できることを嬉しく思います。」と述べています。
医療業界の未来を見据えて
オリンパスは今後とも、他の製造拠点や製品ラインアップにもこの環境配慮型の包装を展開する計画です。同社は、医療業界や規制当局が求める環境配慮を重視した設計を実現し、カーボンニュートラルの取り組みを加速させる意向を示しています。
この新たな試みが、医療分野における持続可能な未来を創造する一助となることを期待しています。オリンパスは、100年以上にわたり医療の進歩に貢献してきた企業として、今後も社会へ向けた価値を提供し続けます。