新たな地域活性化の道筋
社会構想大学院大学が茅野市との間で地域活性化に向けた包括連携協定を締結した。
この協定は、地域の持続可能な発展と人材育成を目的としており、特に院生が地域課題の解決を目指す実践的な研究を行うという特徴がある。具体的には、社会構想研究科の院生が茅野市をフィールドとして、様々な地域の課題に対する提案を授業内で行う。
協定の背景
茅野市は少子高齢化や都市機能の維持といった、日本中で見られる課題に直面している。これらの問題解決に向けた取り組みの一環として、市は「第6次茅野市総合計画」を策定し、「たくましくやさしいしなやかな交流拠点CHINO」という将来像を掲げている。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)や地域住民の協働を重視し、防災や移住促進に関連する多くの施策を展開中だ。
このような市のビジョンに共鳴した社会構想大学院大学は、院生による実践的な地域研究や提言を通じて、地域の課題解決に貢献する高度専門職人材の育成を進めることに決定した。
協定の内容
今回の協定には以下のような連携内容が含まれている:
- - 地域課題解決を目指す教育・研究活動の推進
- - 人材育成のための協働
- - 地域社会に貢献可能な人材育成や地域課題解決に対する支援
社会課題解決の専門家を育成することに力を入れている大学として、協定を通じて具体的な社会貢献活動を展開し、地域住民と共に持続可能な未来を築いていく意向を示している。
今後の取り組み
協定の施行に伴い、2025年度より本学の院生が茅野市をフィールドに、各分野での課題解決提案を行う予定だ。具体的には、福祉、防災、教育、観光振興、デジタル化など多岐にわたる分野が対象となる。さらに、この協定から生まれる連携モデルは、他の全国的な自治体との地域連携の先進事例として広がりを見せることが期待されている。
スケジュール
- - 6月7日(土): 院生によるフィールドリサーチ実施(茅野市)
- - 9〜10月: 中間発表(茅野市にて)
- - 2月20日(金): 最終発表会(社会構想大学院大学にて)
茅野市のビジョン
現在、茅野市は「幸せを実現できるまち」をテーマにしたまちづくりに邁進しており、「交流」をキーワードに市民の生活向上を目指している。多くの若者が地域で活動し、様々な分野で活躍することで、地域コミュニティや経済の活性化が期待されている。特に人口減少や超高齢化が進む現代において、若者の力が地域振興の原動力とされている。
社会構想大学院大学について
社会構想大学院大学は、2017年の設立以来、「知の実践研究・教育で社会の一翼を担う」という理念のもと、専門職業人の育成に注力している。修了者には専門職学位が授与され、特に実務教育研究科や社会構想研究科など多様な専攻が設けられ、各地域での課題解決に向けた人材を育成している。今後も地域社会との連携を強化し、持続可能な発展を目指していく構えだ。