NTTデータとオラクルが協業で日本市場のクラウドサービスを強化へ
NTTデータとオラクルが協業
2024年10月23日、株式会社NTTデータとオラクル・コーポレーションが、日本の企業や団体向けにソブリン要件を満たすクラウドサービスを強化するための協業を発表しました。これにより、NTTデータは自社のデータセンターに「Oracle Alloy」を導入し、高セキュアかつ高SLAに対応するクラウドサービス「OpenCanvas」を強化します。これにより、データ主権の要件を満たしつつ、生成AI機能を含む150以上の「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」のサービスを日本国内で提供するとしています。
NTTデータの新しいサービス展開
NTTデータは、「Oracle Alloy」の導入に伴い、分散化された2つのデータセンターを使用して「OpenCanvas」を展開する計画です。具体的には、2025年末から東日本地域、2027年3月末までに西日本地域でのサービス提供を予定しています。また、2030年までに2025年度の売上目標を1,000億円とし、その後グローバルビジネスへも展開を目指しています。
オラクルの投資計画
オラクルは、クラウドおよびAIインフラストラクチャの需要拡大に応じて、2024年4月から10年間で80億ドル以上の投資を行う計画も発表しています。この背景には、国内での「Oracle Alloy」導入と運用を促進し、新たなビジネスの機会を開くための戦略があります。オラクルは、ハイパースケールや分散クラウド環境を利用し、クライアント企業におけるデジタル・トランスフォーメーションを支援するため、協業を一層強化することを目指しています。
データ主権の重要性
昨今、日本企業や政府機関の間で、データの主権や運用主権に対する関心が高まっていることから、NTTデータでは、データセンター戦略の一環として、AIを活用した施設の増強とソブリンニーズに応えるサービスの強化を進める方針です。今回の「Oracle Alloy」導入により、顧客はデータ主権が担保された環境で、自社のニーズに合ったクラウドサービスを迅速に構築可能となります。
特に金融、通信、公共、公益などさまざまな業界において、安全性の高い環境で最新技術を活用したいというニーズがあるため、NTTデータはそうした顧客へのサービス提供に重点を置く予定です。
今後の展望
さらに、NTTグループは、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)やNTT版大規模言語モデル(LLM)の「tsuzumi」など、先進技術を駆使したクラウドAI活用で、日本の顧客満足度を高めるための取り組みを進めています。
NTTデータの常務執行役員、冨安寛氏は、「『Oracle Alloy』は我々のデータセンター戦略において非常に重要な役割を持っており、日本の顧客に最高のクラウドサービスを提供して国際競争力を高めていく」と述べており、今後の展開への期待を寄せています。オラクル社の senior vice president であるスコット・トワドル氏は、協業により日本の企業に新しい成長機会を提供できることを楽しみにしていると述べています。
このように、NTTデータとオラクルの協業は、日本におけるクラウドサービスの新たな展開を目指すもので、企業のデジタル・トランスフォーメーションを支援するための重要なステップとなるでしょう。
会社情報
- 会社名
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日本オラクル株式会社
- 住所
- 東京都港区北青山2-5-8オラクル青山センター
- 電話番号
-
03-6834-6666