研究開発マネジメント人材の育成戦略
文部科学省が開催した人材委員会の第7回ワーキンググループでは、研究開発マネジメントに関わる人材育成についての議論が行われました。この会議では、近年の日本の大学における研究活動の変化や人材育成の重要性がテーマとされています。
1. 会議の背景と目的
日本の大学及び研究機関は、近年の急速なグローバル化や少子化により、研究開発の新たな形を模索する必要に迫られています。特に、2011年からのURA(リサーチ・アドミニストレーター)の定義や役割の変化は、人材育成やマネジメントの重要性をさらに高める要因となっています。
本会議では、URAを始めとする研究開発マネジメント人材の育成や確保を推進するための新戦略が提案されました。特に、必要とされるスキルが多様化している現状を踏まえ、各機関のニーズに応じた適切な研修制度の整備が求められています。
2. 育成の現状と課題
議論の中で、育成の現状として日本の大学におけるURAの数や役割が変化していることが指摘されました。特に、以下の点が強調されました:
- - 多様化する人材のニーズ:URAは、単に研究支援を行うだけでなく、戦略的なマネジメントや外部資金の獲得など、より高度な役割を担うことが求められています。
- - 育成プログラムの必要性:現在、URAスキル認定機構が提供する研修プログラムの受講状況は低迷中で、専門的な内容が求められています。やはり、育成には一定の基準を設け、実際の業務に即した内容が必要です。
3. 新しい育成戦略
会議では、以下のような新しい育成戦略が提案されました:
1.
外部専門機関との連携強化:URAスキル認定機構以外の外部団体が提供する研修プログラムを積極的に活用し、多様な研修内容の提供を行う。
2.
人事制度との連携:備えられた研修プログラムが人事制度と密接に連携し、研修を受けたURAsのキャリアパスを明確化する。
3.
OJTの重要性:長期的な人的資源の確保のために、OJTを通じてシニアURA人材を育成していく必要性が強調されました。
4. 具体的な施策と今後の課題
- - 文部科学省の支援:文部科学省は、研究開発マネジメント人材の育成に力を入れているものの、その施策の効果的な実施にはさらなる評価基準や評価制度の検討が求められています。
- - 持続的な資金確保:確保した人材が持つ専門性や知見を最大限に活かしつつ、持続的な資金を確保する体制が必要です。
このように、研究開発分野における人材マネジメントのあり方を見直す機会として、今後さらなる議論を重ねて行く必要があります。関係者が連携することで、次世代の研究開発マネジメント人材の質を向上させ、持続的な社会発展の基盤を築いていくことが期待されています。