「SHARE」治療法の紹介
2021-09-30 11:00:17
脳卒中後遺症の新たな治療法「SHARE」の全貌に迫る
脳卒中後遺症の新たな治療法「SHARE」の全貌に迫る
脳血管疾患、特に脳卒中に罹患する患者の数は、日本国内で約112万人に達しています。リハビリテーションや治療法は数多く存在するものの、自由に体を動かせない、歩行が困難といった後遺症に対する効果は十分とは言えないのが実情です。こうした状況を打破するべく、MTX社とスマートクリニック東京が新たに発表した機能改善プログラム「SHARE」が注目されています。
SHAREプログラムとは?
「SHARE」は、CYBERDYNE社の装着型サイボーグ「HAL®」を用いた次世代の脳神経・筋系機能改善プログラム「Neuro HALFIT®」と、スマートクリニック東京が展開する独自のサイトカイン療法を組み合わせた共同治療プログラムです。この2つの技術を融合することによって、脳内神経の根本的な改善を目指し、患者の機能回復を加速させることが期待されています。
Neuro HALFIT®の仕組み
HAL®は、脳からの運動指令に従い体の動きを補助するという画期的なテクノロジーです。具体的には、着用者が動こうとすると、皮膚につけたセンサーが生体電位信号を検出し、その信号に基づいてモーターが作動し、体を動かします。この仕組を活用することで、従来のリハビリでは効果を実感できなかった患者でも、大きな改善が見込まれています。HALを使用することで、体を動かす楽しさを再発見し、心理的な変化も促します。
サイトカイン療法とは?
サイトカイン療法は、ヒト乳歯由来の幹細胞から抽出した培養上清液を用いる治療法です。この治療法は、従来の幹細胞治療と同等の効果があり、特にサイトカインの多く含まれる乳歯由来の幹細胞が使用されています。これにより、患者の脳内神経の修復を促し、機能回復の基盤を作ることに期待が寄せられています。
プログラムの実施概要
新プログラムは、3か月を1クールとして、月1回のサイトカイン療法と、週1から2回のNeuro HALFIT®を組み合わせて実施されます。スマートクリニック東京の医師とMTXのHAL専門スタッフが協力し、患者の症状や状態に応じた最適な治療プログラムを提案します。地道な取り組みを通じて、脳卒中後遺症の改善を図る意義の深さが、ここにあります。
将来への期待
2021年10月1日からスタートしたこのプログラムは、まずは少人数からの開始とのことで、臨床実績を基にエビデンスを蓄積し、効果の検証を行っていく姿勢が感じられます。将来的には、他の中枢神経関連の疾患へもプログラムの適用を視野に入れ、更なる発展が期待されます。脳梗塞や脳出血といった後遺症に悩む患者とその家族の生活の質を向上させるために、両社の技術と知見を結集したこのプロジェクトは、社会に対しても大きな意義を持つことでしょう。
「SHARE」の総括として、直接的な体の機能改善に寄与するだけでなく、心理面での向上も期待できる未来のリハビリテーションの形がここにあります。私たちは、この新たな治療法が多くの人々に笑顔をもたらす日を心より待ち望んでいます。
会社情報
- 会社名
-
MOVETEX株式会社
- 住所
- 東京都千代田区六番町1-15六番町プレイス
- 電話番号
-
03-6265-6688