京都外国語大学とJR西日本が手を組んだ新たな観光案内プロジェクト
昨今、観光地として国際的に名を馳せる京都において、訪日外国人観光客へ向けたサービスの向上が求められています。特に、駅での利便性を高めるための取り組みが急務とされています。このような背景のもと、京都外国語大学の学生たちがJR西日本と協力し、「外国人観光客にやさしい駅づくりプロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトでは、多言語の案内ポスターと動画が制作され、2026年5月末から11月末までの期間、JR円町駅、JR丹波口駅、JR梅小路京都西駅の3つの駅で掲出されます。
プロジェクトの背景と目的
国際観光都市として認知されつつある京都は、観光客を地域に分散させる流れを推進しています。今回のプロジェクトでは、外国人観光客が多く利用する駅を対象に、その使い勝手を改善する試みが行われました。特に円町駅、丹波口駅、梅小路京都西駅は、観光地やホテルへのアクセスが良好なため、多くの外国人観光客が訪れます。しかし、言語の壁や駅内の情報不足が障害となり、スムーズな利用が難しい場面も見受けられます。特に、駅員の不在時には操作に対する心理的なハードルが生じるため、わかりやすい案内が求められました。
このプロジェクトは、京都外国語大学の授業「Community Engagement A・B」の一環として行われており、地域社会への貢献を目指しています。学生たちは、観光客のリアルな声を反映させるため、現場での調査を通じて現状を把握し、解決策を提示しています。
学生たちによるフィールドワーク
学生たちは約100人の観光客にインタビューを行い、券売機や精算機の使い方、さらに英語案内の不足による不安感などを調査しました。このプロセスを通じて、言語の問題に加え、例えばインターホンを押すことに対する心理的な障壁も浮き彫りになりました。現場での観察は、学生たちがリアルな課題を理解するための貴重な経験となり、解決策を生み出す基盤となりました。
JR西日本との連携により、学生たちは実際の駅に掲出可能なレベルの案内ポスターや動画を制作しました。これにより、単なるアイデアの提案にとどまらず、明確な成果物が形になりました。
実施の成果と今後の展望
プロジェクトの成果物は、JR円町駅、JR丹波口駅、JR梅小路京都西駅にて5月末から掲出される予定です。それぞれの駅には、外国人観光客が理解しやすい内容の案内が掲示され、利便性向上に寄与します。また、学生たちの取り組みは、大学コンソーシアム京都が開催する「第31回FD・SDフォーラム」にて発表され、多くの関心を集めました。
プロジェクトに関わった岩田英以子准教授は、「学生たちが実際にアンケート調査や聞き取りを行い、その結果をもとに具体的な改善案を制作しました。これは大きな学びであり、観光を支える課題理解と解決力を育成できた」と語ります。
一方、JR西日本の担当者も、「利用者の視点に立ったわかりやすい内容にまとめていただき感謝しています。学生たちの視点や工夫が随所に反映されており、社内に新たな視点をもたらしてくれました」と評価しています。
今後、このような産学連携の取り組みがさらに広がることに期待が寄せられています。学生たちの鋭い観察力と想像力がもたらした成果は、観光業界に新たな風を吹き込むことでしょう。