JAXAと日揮ホールディングスが手掛ける月面推薬生成プラントの未来
JAXAと日揮ホールディングスが手掛ける月面推薬生成プラントの未来
日揮ホールディングス株式会社は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の新たなプロジェクトに採択され、月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの基本設計と試験を行うこととなりました。このプロジェクトは、月面における水資源利用を基にしたもので、2030年代には本格的なプラントの建設が予定されています。これは、アメリカのアルテミス計画に代表される、国際的な月面開発の潮流に実績を持つ日本の企業が global に寄与する一環とも言えます。
プロジェクトの目的と背景
現在、JAXAは「日本の国際宇宙探査シナリオ(案)2021」に基づき、月面推薬生成プラントの全体システムを2020年代内に概念検討し、様々な要素技術の検証に取り組んでいます。これは、2040年までに月面での推薬プラントを本格的に稼働させるための重要なステップです。日揮グローバルは、これまでの豊富な経験を活かして、このプロジェクトに貢献することが期待されています。
地上実証プラントの設計と試験
このプロジェクトでは、主に次の二つの取り組みがある。
1. 地上実証プラントの基本設計
このプロセスでは、プラントのシステムの仕様や開発計画、さらにはNASAとの共同研究に基づく技術支援が行われます。特に、どのような実証試験環境を構築するかなどがポイントです。
2. 水抽出プロセスの要素試作試験
ここでは、月面の砂「含水レゴリス」から水を抽出する実験が行われ、水の抽出プロセスにおける技術課題を洗い出し、今後の実証計画を検討します。
これらの成果は2026年3月31日までにJAXAに提出される予定であり、その結果が月面プロジェクトの進展に直結するでしょう。
日揮の宇宙関連ビジネスの歴史
日揮グループは創業以来、90年以上にわたり多様な分野でプラントの設計・建設を手掛けてきました。特に、砂漠やジャングル、海上など様々な環境でのプロジェクトを成功させてきた実績があります。そして1980年代から2000年代初頭にかけては、宇宙ステーションの微小重力環境を活用した研究にも取り組んできました。このような背景から、日揮ホールディングスは宇宙関連ビジネスにも深く関与しているのです。
月面開発への取り組み
日揮グローバルは2018年から宇宙関連ビジネスに注力し始め、月面開発に資する取り組みを開始しました。月面プラントユニットの設立や、JAXAとの連携協力協定の締結など、着実に実績を上げています。また、2023年には月面での実証プラントに関する概念検討にも参加し、着実に前進しています。これにより、日揮グローバルはプラントの概念設計をJAXAから受託するとともに、月面推薬生成プラントの実現に向けた基盤を構築しつつあります。
未来の宇宙開発のために
JAXAとの協力を通じて、日揮グローバルは人類の宇宙での持続的な活動に寄与することを目指しています。月面推薬生成プラントの実現は、単に技術的な挑戦に留まらず、人間の宇宙活動をより持続可能にするための新たな可能性を開くものです。これからの月面開発の進展には、ますます多くの企業や研究機関の協力が必要とされるでしょう。宇宙開発という壮大な夢が実現する日を、私たちも見守りたいと思います。
会社情報
- 会社名
-
日揮ホールディングス株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA
- 電話番号
-
045-682-1111