2025年6月、オフィス3〇〇が贈る特別公演『少女仮面』が、豊かな演技力を持つ豪華キャストと共に幕を開けます。本作は1969年に唐十郎の手によって生み出され、岸田戯曲賞を受賞した名作戯曲の一つ。演出を担当するのは、実力派の渡辺えりです。本公演は唐十郎の追悼公演としての位置付けもあり、記念碑的な意義を持つ作品となることでしょう。
本公演では、渡辺えりをはじめ、大鶴佐助、土屋佑壱、吉田裕貴、福本雄樹、新内多賀太夫、岡野一平、宮下浩行といった多彩なキャストが集結します。さらに、黒島結菜、夢乃、鈴木楓加のトリプルキャストも見どころの一つです。彼女たちが創り出す「貝」役に注目が集まっています。
特に楽しみなのは、日替わりゲストの出演者たちです。竹中直人、尾上松也、中村獅童、稲荷卓央、和田琢磨、安奈淳といった著名な俳優がそれぞれの日に登場するとあって、ファンの期待も高まります。特に安奈淳は「甘粕大尉」役を演じるとのこと。豪華な顔ぶれが揃い、どのような化学反応が生まれるのか、秒読み段階となっています。
本作の舞台は、東京都内にある地下喫茶「肉体」。戦前から現在に至るまで、謎に包まれたこの喫茶店のオーナーは、宝塚の伝説的な男役スター、春日野八千代です。彼は「嵐が丘」の稽古に没頭しつつ、相手役であるキャサリンの登場を待ちわびています。この作品は、肉体では捉えきれない欲望や永遠の愛をテーマに、「サンセット大通り」の映画監督のように演出が続けられる様子が描かれます。
物語の核心には、東京大空襲で家族を失った外交員の妄想や、本番前に精神的な混乱を抱える腹話術師の姿があります。彼らが夢見る舞台の裏側には、秘められた過去や、混乱した精神状態が暗示されています。地下喫茶「肉体」での春日野の運命、そこで集った少女たちの行く末、さらには腹話術師たちの未来が交錯する、深い物語が展開されます。
公演は、2025年6月11日から6月22日まで、ザ・スズナリで行われます。チケットは一般が8,000円、U-30向けの当日引換券が5,000円で販売されます。流行の公演に便乗するため、是非早めの購入をお勧めします。
チケットの購入は、公式サイトや各社プレイガイドで可能です。本公演はオフィス3〇〇が主催しており、全国の劇場ファンに向けた新たな話題を提供することでしょう。日本の舞台芸術界において、在りし日の唐十郎作品に新たな息吹を吹き込むこの舞台に、大いに期待が寄せられます。