泉大津市、初の大防災訓練を実施
大阪府の泉大津市では、11月4日(祝・月)に市制施行82周年を記念し、初となる「大防災訓練」が行われました。この取り組みは、南海トラフ地震による最大4.4メートルの津波が到達する可能性に備えるもので、地震や津波に対する地域の防災意識を高めるために開催されたものです。
訓練の背景と目的
今年1月の能登半島地震を受け、市は防災対応の重要性を実感しました。その経験を生かし、被災地との交流を通じて認識した課題を反映させ、今回の訓練で「課題の再認識」と「対応策の実行力」を確認することを目指しています。
訓練内容の概要
訓練は、大きく2つの部に分かれて行われました。午前の部では、情報伝達や避難所の運営など、3つの模擬訓練が実施されました。午後には、体験型防災イベントが行われ、地域住民が防災知識を身につける機会を提供しました。
午前の訓練
1.
情報伝達訓練: 市民からの応答を確認したり、情報が届かない状況を把握するための訓練です。特に、高齢者や障がい者に向けた新しい情報伝達手段の導入も確認。
2.
全避難所同時開設訓練: 小中学校を避難所として、一斉に開設する初の試みです。これにより、避難所不足の解消と環境改善を目指します。
3.
初動対応の実力確認: 職員が参集状況を確認し、初動対応の強化を図る訓練です。
午後の体験型防災イベント
午後1時から4時まで行われたこのイベントでは、食事の提供、救援物資の受け取り、トイレやシャワーの使用方法を体験できるブースが設置されました。参加者は防災への理解を深めるとともに、防災意識を高めることができました。
取り組むべき課題
本市では、防災無線放送が一部の住民に届かないという問題が顕在化しています。このため、今後は電話やファックスを通じた情報配信サービスを導入し、体制の強化を図ることを約束しました。また、女性の声を反映した防災対策の充実も進めており、初の女性会長を持つ自主防災組織の設立もその一環です。
結び
この大防災訓練を通じて、地域の皆さんが防災に対する準備を意識し、共に支え合うことが重要であることを再確認する機会となったことは間違いありません。泉大津市は、これからも市民と共に安全な地域づくりを進めていく意向です。