シンクランドが資金調達を実施し中空マイクロニードルの開発を加速
神奈川県横浜市に本社を構えるシンクランド株式会社は、リアルテックファンドやシミックCMOなどから合計約3.4億円の資金調達を行ったことを発表しました。この資金は、中空マイクロニードルを用いた新たなドラッグデリバリーシステム(DDS)の実用化開発を加速するためのものです。
資金調達の詳細
今回の資金調達には、既存株主であるリアルテックファンドとAIS CAPITAL株式会社に加え、新たにシミックCMO株式会社、株式会社dof、その他の個人投資家が参加しました。いずれも医療分野での開発を支援する背景を持つ企業や投資家です。資金調達は、りそな銀行からの融資も含まれています。
中空マイクロニードルの意義
シンクランドは、2016年から千葉大学と北海道大学にて開発された光渦レーザー加工技術を活用し、世界で初めて中空マイクロニードルの研究を行ってきました。この技術によって製造された針は、外径が100μm以下で、痛みなく無痛での投薬が可能です。さらに、生体適合材料を用いているため、使用後に針を廃棄する必要がなく、体内で自然に溶解します。
医療現場での課題解決
現在、世界中で約4億人の糖尿病患者がインスリン注射による痛みや恐怖を抱えているほか、認知症の患者は経口薬の服用が難しいケースもあります。また、統合失調症などのCNS障害を持つ患者は、服薬管理に関しても周囲の負担が多く、簡便な投薬方法が求められています。
シンクランドの中空マイクロニードルは、こうした課題に対抗するソリューションとして期待されています。痛みや恐怖の軽減とともに、服薬管理の負担を軽減することを目指しています。
今後の展望
シンクランドは、シミックCMOとの資本提携を通じて、技術ライセンスの供与や新たなDDS技術の開発を促進する計画です。さらに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受けた助成をもとに、各種共同研究契約のもとで取り組みを続けています。
企業情報
- - 社名: シンクランド株式会社 / Think-Lands Co., Ltd.
- - 所在地: 神奈川県横浜市鶴見区小野町75番地1
- - 設立: 2014年2月3日
- - 代表者: 代表取締役 宮地邦男
- - 事業内容: 光渦マイクロニードルを利用した装置の開発・製造・販売
最後に
シンクランドの取り組みは、医療の現場における痛みや負担を軽減し、患者の生活の質を向上させる可能性を秘めています。これからの進展に注目が集まります。