地域の未来を共に考える:武庫川女子大学と日本山村硝子のコラボ
兵庫県尼崎市に本社を置く日本山村硝子株式会社は、地域企業と学術機関の連携を深める新たな試みとして、武庫川女子大学と協働で実践型授業「広告メディア演習」を展開しています。2025年9月30日には、地域企業の販売促進に関する授業が行われ、学生たちはプロモーション課題に挑戦しています。
授業の目的と内容
この授業では、学生が実際の地域企業が抱えるプロモーションの課題を解決するための広告企画や動画制作を行います。日本山村硝子は、以下の三つの事業内容について説明し、学生たちが取り組む課題を提示しています。
1. ペットボトルキャップのリサイクル活動(RIN)
2. 嚥下に関する社会課題を解決する医療・介護製品の開発
3. 安定供給が可能な植物工場野菜の提供
この授業を通じて、学生たちはフィールドワークとしてグループで討議を行い、アンケート調査やヒアリングを実施します。そして、企画や動画を作成した後、企業へ提案します。
授業の流れ
授業の流れとしては、まず學生は企業が提示した課題を理解し、それを解決するためのアプローチを話し合います。その中で、実際のデータや現場の意見を収集し、分析します。このプロセスを経て、独自の広告企画やプロモーション動画が形になります。成果物は2025年12月に行われる中間発表で披露され、2026年1月には最終発表が予定されており、優劣が評価されます。
RINプロジェクトとは
特に注目を集めているのが、RIN(リサイクルインセンティブネットワーク)です。使い終わったペットボトルキャップを新しい価値へと再利用するプロジェクトで、単なるリサイクルの枠を超えた価値創造を目指しています。RINは企業とのコラボレーションを通じて新たなパートナーを募集しており、環境問題への関心が高まる中で持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。
ファーマキット事業
日本山村硝子は、社会的課題の解決にも注力しており、医療・介護向けの製品を展開しています。中でも「ぴったりトロミがつくカップ」は、飲み込みが難しい患者さんをサポートするために開発されました。また、子ども向けの薬の投薬を正確に行うための「シロップぴったりシロピィ」など、利用者のニーズを捉えたアイテムも取り揃えています。
植物工場と「きらきらベジ」
さらに、日本山村硝子は植物工場で生産される「きらきらベジ」ブランドを通じて、高栄養価の野菜を提供しています。特にスーパーフードであるケールを主力とし、気候変動の影響も受けにくい安定的な供給ラインを構築しています。このブランドは、健康をサポートすることをコンセプトに、持続可能な生産方法を採用しています。
これらの取り組みを通じて、日本山村硝子は地域社会と密に連携し、より良い社会の実現に貢献する姿勢を示しています。今後の学生たちの提案や活動にも大いに期待が寄せられています。