スーダン内戦開始から500日が経過
スーダンでは、国軍と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との間での戦闘が続いており、内戦が始まってから500日以上が経過しています。この間、人道支援や資金の提供が十分に行われておらず、医療ニーズは急激に増加しています。特に子どもたちが栄養失調や感染症に苦しむ状況が深刻です。
人道危機と医療ニーズの急増
2023年4月15日に始まった戦闘は、首都ハルツームから始まり、全国に広がっています。現在までに数万人が死傷し、国境なき医師団(MSF)によると、内戦開始から2024年6月までに1万1985人の負傷者が治療されています。これに加えて、1000万人以上が避難を余儀なくされ、そのほとんどが複数回の避難を強いられています。
医療機関の機能停止や感染症の流行が相次いでおり、特にマラリアやコレラが増加しています。ワクチンで予防可能な病気のリスクも高まっており、子どもにとって大きな脅威となっているのです。
支援活動の妨害と必要な対策
MSFは、支援活動が妨害されている状況に直面しながらも、北ダルフール州やジェネイナなどで栄養治療センターを運営しています。しかし、十分な医療を提供するためには、支援を受ける患者が溢れており、状況は厳しいと言わざるを得ません。特に、援助物資の供給はRSFやその他武装集団によって妨げられ、多くのトラックが物資を奪われる事件も発生しています。
加えて、スーダンの現状は雨期に入っており、移動がさらに困難になっています。道路が冠水し、人道支援物資や人員の移動が支障をきたすため、支援のカバー範囲が狭まっています。
国際的な支援と医療体制の脆弱性
世界保健機関(WHO)の報告によると、スーダン国内の医療施設が80%以上稼働不能とされ、内戦前から脆弱な医療体制がさらに悪化しています。特に、北ダルフール州のエル・ファシール市では、MSF支援の病院が何度も攻撃を受け、ほとんどの医療機関は機能を停止した状態です。
最近の8月22日には、MSFチームの宿舎が砲撃を受ける事件も発生し、内戦によって医療従事者が危機にさらされています。これにより、民間人や医療関係者が守られない状況が明らかになっています。
難民の苦しみと援助の必要性
周辺国に避難している人々も同様に厳しい状況に置かれ、約200万人が国外へ逃れています。特にチャドのメチェ難民キャンプでは、5万人以上が犠牲となっており、食料や生活必需品の不足が続いています。MSFは病院を建設したものの、まだまだ多くの課題が残されています。
何が必要か
スーダンにおいては、国際的な支援が急務となっています。MSFは人道支援活動を続けていますが、資金の確保や物資の供給が不可欠です。今後の支援活動が迅速に行われ、必要な人々が適切な医療を受けられるような体制が整えられることが求められています。スーダンの人々が直面している危機に、一刻も早く 手を差し伸べることが必要です。