コクヨによる新たなごみ捨ての提案
コクヨ株式会社は、環境意識の向上を目的に、社員の「ごみ分別」にフォーカスした企画展示「SUTENAI STATION exhibition」を2025年12月10日から19日まで、東京品川のオフィス「THE CAMPUS」で実施しました。この展示は、クリエイティブな方法で社員の意識を刷新し、行動変容を促すことを目指しています。
背景
コクヨは「SUTENAI CIRCLE」という循環指針を掲げ、「捨てない」ことを基本にした商品開発やサービス提供を行っています。しかし、オフィス環境においても資源の循環が進んでいるか、社員自らが意識的に取り組めているかを考える必要がありました。「ごみの取り扱い」に焦点を当て直し、まずはオフィスのごみ箱のデザインを見直そうとしましたが、調査を進める中で、実態としてさまざまな問題が浮き彫りになりました。
実際には、ごみの収集後に特例子会社のコクヨKハートのスタッフが分別し直さなければならないケースや、危険物の混入、家庭ごみと事業ごみの分別ルールの違いを知らない社員が多いことが明らかになりました。こうした課題を受け、展示の目的は単なるデザインから「社員の意識を変えて行動を促す具体的な方法」として再設定されました。
「SUTENAI STATION exhibition」の内容
1. 課題の可視化
展示では、オフィスから出るさまざまなごみの現状を分析しました。特にコクヨKハートスタッフが困っている「とじられたビニール袋」「ペットボトルの飲み残し」、「プラスチックと燃えるごみの混同」の三大課題に焦点を当て、具体的なデータや正しい分別法をビジュアルで紹介しました。
2. あいまいなごみの収集
さらに、オフィスに「あいまいなごみ」専用の収集箱を設け、分別が難しいごみを収集。このプロジェクトからは、社員が分別に対して不安を抱いたり、選択を誤ったりする瞬間を明らかにしました。展示を通じて、こうした「迷い」を解消する手助けを目指しています。
3. キケンナゴミ
また、人体に害を及ぼす可能性がある「キケンナゴミ」の調査も行い、その分類方法を分かりやすくまとめた図鑑「A Field Guide to Office Trash」や啓発ポスターを制作、オフィス各所に掲示しました。これにより、社員が職場の危険リスクを理解し、適切に対処できるよう心掛けています。
この他にも、コクヨKハートのクリーニングスタッフをフィーチャーした資料や、ごみの分別を楽しく学ぶためのシールやポスターなども配布し、全社的な理解と協力を広げる取り組みを進めています。
これからの展望
今後はオフィス内でのごみ捨てに関する行動変容を定量的に分析し、今回の展示で得た知見をもとにより効果的なごみ箱デザインに取り組むことで、社員の環境意識をさらに高め、行動の定着を図る計画です。コクヨが掲げる「SUTENAI CIRCLE」の理念に根ざし、持続可能な社会実現に向けた具体的なアクションを続けていきます。
参考情報
【SUTENAI CIRCLE】
コクヨが掲げる循環型社会の実現を目指す理念で、これまでにも使用済みノートを回収して新たなノートとして再生する「つなげるーぱ」など、多様な取り組みを行っています。
SUTENAI CIRCLE公式サイト
【CREATION PLACE "BOXX"】
2024年7月にリニューアルオープン予定の「CREATION PLACE