飯塚市におけるブロックチェーン防災実証実験の全貌
福岡県飯塚市で行われた日本初のブロックチェーン(DID/VC)と防災を組み合わせた実証実験が、2025年末から2026年3月にかけて実施されました。このプロジェクトは、Turing Japan株式会社、渋谷Web3大学株式会社、株式会社かんがえる防災の3社が連携し、飯塚市の「令和7年度飯塚市先端情報技術実証実験サポート事業」において行われました。報告書としてまとめられた結果は、事業終了後の2026年7月27日に提出されました。
実証実験の概要
この実証実験は、「One VC, Two Values」というコンセプトのもと、平時は防災学習の証明として、災害時には避難所での身元確認に利用されることを目的としていました。DID(分散型識別子)とVC(検証可能証明書)を用いた技術を駆使し、Turing Certsを発行基盤としました。
実施内容
実施期間は2025年12月から2026年3月で、具体的には以下のような活動が行われました。
- - 第1回実証: 2025年12月23日、避難所受付のロールプレイングに参加した市民がDID/VC証明書を使用して認証試験を実施。
- - 防災クイズ: 56問の試験を通じて知識を深め、参加者には証明書を発行。
- - 中間報告: 実証中に集めたデータをもとに、関係者による報告会が行われました。
実証を通じて見えた課題
実証実験から得られたデータをもとに、以下のポイントが確認されました。
- - 避難所受付の効率化: 手書きによる受付が151秒かかるのに対し、DID/VC認証は69秒で完了し、約2.2倍の効率化が実現されました。
- - 個人情報の管理: 認証に必要な情報は氏名、住所、生年月日とし、プライバシー保護も意識されています。
技術的な壁
実証を通して、技術そのものよりも人とのインターフェースに問題があることが明らかになりました。多くの利用者が「DID」や「VC」の用語に困惑し、認証に必要な操作に時間がかかることが判明しました。
次のステップ
飯塚市では、令和8年度もこの先端情報技術実証実験事業を継続するとのことです。今後の課題として、自治体の基幹システムとの統合に向けた検討や、災害ボランティア証明の実施などが挙げられています。