伊藤忠食品昭島物流センターにおける納品伝票電子化の本運用開始
2025年11月11日、伊藤忠食品株式会社(本社:大阪府大阪市)と、大塚グループに属する大塚倉庫株式会社(本社:大阪市港区)が、伊藤忠食品昭島物流センターで納品伝票の電子化を本格稼働させる。これにより物流業務の効率が向上し、ペーパーレス化を果たすことで、環境負荷の軽減にも貢献する。この取り組みには日本パレットレンタル株式会社(本社:東京都千代田区)が提供する、伝票の電子化・共有化システム『DD Plus』が活用される。
背景
近年、国の政策として納品伝票の電子化が推進されているが、実際の運用には至っていなかった。食品業界では、「他社が導入したら自社も」といった様々な要因による膠着状態が続いていた。このような状況を改善すべく、伊藤忠食品は2024年11月にパイロットテストを実施し、各社が協力しながら、業務の効率化とペーパーレス化が十分に実現できることを確認した。これを受け、2025年11月11日からの本運用開始に至った。
現在、昭島物流センターでは1日およそ40社のメーカーが納品を行っているが、2026年度にはその半数にあたる約20社の納品伝票の電子化を目指す。さらに、伊藤忠食品は昭島物流センターに限らず、電子化を進めるセンターを拡大する計画だ。
実施概要
- - 運用開始日: 2025年11月11日納品分から
- - 対象センター: 伊藤忠食品昭島物流センター(東京都昭島市)
- - 導入システム: 『DD Plus』
期待される効果
この電子化によって、発荷主である大塚倉庫にとっては、伝票の印刷、仕分、受領印済み伝票の回収・管理といった業務が効率化される。そして、着荷主の伊藤忠食品にとっては、伝票照合や受領書の発行業務、通常必要な伝票保管スペースの削減が期待される。また、運送会社にとっても、ドライバーの負担軽減が図られ、受領印待ちや伝票管理のストレスが軽減されると考えられる。
各社のコメント
伊藤忠食品のロジスティクス本部は、「今回の納品書電子化は、発荷主にとってもメリットが大きく、ドライバーの負担も軽減されます。この取り組みを通じて、サプライチェーン全体の効率化に寄与することを願っています」と述べている。
一方、大塚倉庫のテクノロジー本部は「紙伝票の管理が長年の課題でしたが、伝票電子化により業務が大幅に簡素化されるでしょう。ASNとの組み合わせで、サプライチェーンの見える化も進むと信じています」と自信を見せている。こうしたコメントからも、各社がこの取り組みに強い期待を寄せていることが伺える。
日本パレットレンタルのデジタルロジスティクス事業開発部もこの取り組みを評価し、「単なるペーパーレス化に留まらず、納品と受領間のデータ連携が重要です。この第一歩がフィジカルインターネット基盤構築へつながる」と強調している。
まとめ
伊藤忠食品昭島物流センターでの納品伝票電子化は、効率化と環境負荷軽減を両立させる大きな一歩となる。今後、この取り組みがさらなる広がりを見せ、交通や物流の未来にどう影響を与えるか、注目が集まる。