車両トラブルの実態と猛暑の影響
近年、日本の猛暑は常態化しており、気象庁のデータによると直近6年間の年平均気温は歴代の高温偏差で推移しています。2023年と2024年には、観測史上最高の気温偏差が記録されました。この気候変動の影響で、異常気象が続く中、特に車両トラブルが顕著に増えていることが注目されています。
ナイル株式会社が運営するWebメディア「カルモマガジン」は、猛暑による車両トラブルの実態を解明するため、一般社団法人日本自動車連盟(JAF)や株式会社オートバックスセブンへの取材を行い、調査レポートを公開しました。このレポートは、ドライバーが安全に車を使えるように情報提供と注意喚起を目的としています。
調査の背景と目的
猛暑による車両トラブルが増えている状況を受けて、全国のドライバーの意識や実态を調査しました。レポートでは、約22%のドライバーが暑さによる車両トラブルを経験しており、そのうち多くの人々がバッテリーやエアコンの問題を訴えています。バッテリーに関するトラブルが37.2%、エアコンに関連するトラブルが36.3%、タイヤのトラブルは5.9%を占めています。これらのトラブルが全体の約80%を占めているのです。
車両トラブルの具体例
実際のデータからも、特に猛暑期においてはタイヤのパンクやエアコンのトラブルが多発することが確認されています。2012年に行われたJAFの検証結果では、外気温が35℃の環境下で車内温度が最大52℃に達することが示され、サンシェードのみでは温度上昇を抑える効果が限られていることが分かっています。
また、オートバックスのデータによると、猛暑期におけるタイヤトラブルは特に集中しています。強い紫外線によりタイヤの油分が抜けることでひび割れや亀裂が発生し、圧力不足や摩擦が加わることでバーストに至るケースが多いのです。
エアコンの修理需要
最近ではエアコンの修理依頼も急増しています。特に冷媒ガスの漏れや水分の混入、フィルターの目詰まりが主な原因となっており、これらのトラブルは構造的な問題が多いとされています。調査期間中、1日あたり10件以上の修理依頼が寄せられることもあり、これは例年よりも早いペースです。
ドライバーへの注意喚起
猛暑の中、安全に車を利用するために、ドライバー自身がしっかりと対策を行うことが重要です。たとえば、定期的な点検や適切なタイヤの管理、エアコンのフィルター交換などが挙げられます。また、4人に1人が暑さ対策を実施していますが、間違った方法で逆効果を生むケースもあります。正しい情報をもとにした対策が求められています。
このレポートは、ドライバーや自動車関連の方々に活用していただき、猛暑でも安心して車を運転できるような環境づくりに役立ててほしいとの思いが込められています。詳細レポートは
こちらからご覧いただけます。