郡山市に新たな物流拠点集積パークが誕生
福島県郡山市に、物流不動産のグローバル企業であるプロロジスと株式会社フクダ・アンド・パートナーズが共同開発する「物流拠点集積パーク」が設立されることが発表されました。今回の開発は、郡山中央SIC隣接地に位置し、地域の物流を大きく変える可能性を秘めています。
地理的利点とアクセスの良さ
本プロジェクトの最大の特長の一つは、その立地です。東北自動車道と磐越自動車道が交差する地点近くにあり、都心からのアクセスが良好です。具体的には、首都圏から約3時間、仙台市からは1時間、新潟市まで約2時間と、物資の迅速な輸送が可能です。また、郡山市の中心部からも車でわずか20分、約7kmの距離にに位置しているため、周辺地域においても雇用機会を提供することが期待されています。
災害時のBCP対策
特に注目すべきは、この物流拠点集積パークが災害時に効果的に機能する仕組みが備わっている点です。たとえば、災害時には迂回ルートを活用して、物資を東北地域や首都圏へ運ぶことが可能です。さらに、同施設には「福島郡山未来共創センター」が併設され、このセンターは地域避難拠点としての機能を持ち、平常時と災害時で役割が変わる防災型ビルとして計画されています。
このセンターでは、災害時のために6日分の飲料水や非常食が備蓄され、避難者へ無償で提供される予定です。また、仮設トイレの備蓄や、入居企業の配送網を通じた被災地への迅速な物資提供が実現します。
環境に配慮した設計
開発する物流施設は、環境への配慮も欠かせません。高炉セメントや電炉鋼材といった材料を使用して、CO2削減に貢献します。加えて、屋上には太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーの循環を促進する計画です。さらに、電気自動車から建物へ電力供給する「V2Xシステム」の導入も予定しています。
先進的な物流技術の導入
プロロジスはこのプロジェクトの一環として、次世代の物流施設への取り組みも行っており、山間部でのドローン物流の実験や自動運転の実証実験も視野に入れています。また、隣接地への水素ステーションの誘致も検討されており、先進的な物流システムを目指しています。
開発スケジュール
この物流拠点集積パークの開発スケジュールは、2024年4月から同年12月までの第I期造成から始まり、2025年9月までに第II期造成が完了する予定です。開発区域面積は約138,000平方メートルに及び、複数の物流施設が展開される予定です。
国際物流総合展で詳細公開
プロロジスは、2024年9月に東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2024」において、プロジェクトの詳細を公開する予定です。この取り組みが、地域の物流インフラを根本から変える起点となることが期待されています。
この物流拠点集積パークは、地域の経済活性化や災害時の対応力強化において、重要な役割を果たすことが予想され、今後の展開に注目です。