インクルーシブウェアでファッションのバリアを打破する「キヤスク with ZOZO」始動
ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOと、服のお直しサービスを手掛ける「キヤスク」が、インクルーシブウェアの受注販売サービス「キヤスク with ZOZO」を2023年8月10日に開始しました。このサービスは、障がいの有無や体型に関わらず、誰もが快適にファッションを楽しめることを目指しています。
インクルーシブウェアの必要性
厚労省の調査によれば、日本には推定約1,164万人の障がい当事者が存在し、彼らのファッションに対する悩みは多岐にわたります。特に、着やすさや肌触り、デザインに対して高い要求があり、通常のファッションでは満たされないことが多いのが現状です。
一般的な服では、身体的な制約から自由に選ぶことができない障がい者が多いため、「キヤスク with ZOZO」はこれらの悩みを解決するために誕生しました。
「キヤスク with ZOZO」の特徴
1. 蓄積された知見の活用
「キヤスク」は、800人以上の障がい当事者の声をもとに、実際に300人を超える人々に服の修正を行ってきました。この知見を基に、インクルーシブウェアが開発されているため、実用性が非常に高いです。第一弾として、車椅子ユーザーのための特殊なパンツが発売されます。このパンツは、腰から裾あるいは膝まで開閉できるファスナーがついており、さらに臀部には縫い目がない設計がされています。これにより、着用時の圧力で皮膚が傷つくリスクを軽減しています。
2. 受注生産方式の導入
ZOZOが提供する「Made by ZOZO」では、受注後に生産し、最短10日での商品発送が可能です。これにより、ブランドは在庫を持つことなく、多様なデザインを展開できるようになります。これまでファッションブランドは、障がい者のニーズに応じた様々な在庫を抱えなければなりませんでしたが、今後はより柔軟な対応ができるようになります。
3. 豊富なサイズ展開
「キヤスク with ZOZO」では、最大56サイズまでのアイテムを展開することが可能です。顧客が自分の身長や体重を入力することで、最適なサイズが提案されます。これにより、誰しもが自分に合ったサイズのアイテムを見つけやすくなります。
サステナブルな未来へ
「キヤスク with ZOZO」は、障がい者がファッションを楽しむことができる社会を目指しています。サステナブルな材料を使用し、地球にも配慮した製品づくりが進められています。また、キヤスクのスローガンである「着たい服を着る日常を、すべての人に。」は、この理念の核心を表しています。
ファッションがもたらす楽しみと自由は、もはや障がいの有無によって制限されるべきではありません。「キヤスク with ZOZO」は、その新たな可能性を切り開く第一歩であり、今後の動向が非常に楽しみです。
今後の販売アイテム
「キヤスク with ZOZO」では、車椅子ユーザーのために設計された「魔法のデニムチェアーパンツ」や「魔法のチェアーパンツ」を販売します。どちらも、サイドのファスナーが特徴で、着脱も簡単です。価格はそれぞれ14,980円(税込)、11,980円(税込)となっており、8月10日より販売が開始されます。
この取り組みは、服を通じた社会のバリアフリーを実現する画期的な試みであり、我々のファッション視点を変えていくことでしょう。