セレイドセラピューティクス、希少血液疾患向け治療開発に新たな支援を受ける
セレイドセラピューティクス株式会社が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)による「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択されたことを発表しました。この事業は、創薬を専門とするベンチャーキャピタルの支援を通じて、医薬品の実用化に向けた開発を促進するものです。
同社の開発する医薬品「CLD-001」は、小児の希少血液疾患に特化したex vivo増幅造血幹細胞治療製品です。今回の採択により、リードVCである東京大学エッジキャピタルパートナーズを含む認定VCからの出資を得る一方、AMEDからは最大100億円の支援を受けることができ、これにより「CLD-001」の米国での治験に向けた研究開発を加速させる計画です。
CLD-001の開発背景と特徴
CLD-001は、再生不良性貧血、原発性免疫不全症、先天性代謝異常症、鎌状赤血球症などの希少血液疾患に対して開発されている治療製品です。これらの疾患は小児期に発症し、多くの場合身体的および神経的な合併症が伴うため、その予後は極めて厳しいものとなっています。現在、これらの疾患に対する唯一の根治療法は同種の造血幹細胞移植ですが、ドナーの不足やHLA適合の問題、移植後の生着不全など多くの課題が残されています。
CLD-001は、凍結保存されたさい帯血を原料に用いるため、ドナー問題を解決することが可能です。また独自の増幅技術により、さい帯血中に含まれる造血幹細胞のボトルネックを克服し、患者に最も適したHLAタイプの造血幹細胞治療製品を提供します。この方法により、移植後の患者の全生存率を大幅に改善する期待が寄せられています。
会社の理念と今後の展望
セレイドセラピューティクス社は、東京大学と筑波大学発のスタートアップで、独自の造血幹細胞増幅技術を有しています。この技術を駆使して、難治性の血液疾患や遺伝性疾患に対して、安全かつ効率的な細胞治療の提供を目指しています。また、虚血性疾患における新生血管形成など、次世代の再生医療製品を広く社会に提供することも積極的に進めています。
今回のAMEDからの支援を受け、小児希少血液疾患に苦しむ多くの患者に対し、CLD-001を一日でも早く届けることができるよう、開発は着実に進んでいくでしょう。この取り組みが、血液疾患医療の未来を切り開く一助となることが期待されています。
関連情報については、セレイドセラピューティクスの公式ウェブサイトやお問い合わせ先を通じて確認できます。未来の医療に向けたこの重要なステップに、注目したいところです。