製造業のDXを支える「Proceedクラウド」の登場
2023年2月、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する新しいサービス、東京ファクトリーの「Proceedクラウド」が一般提供を開始しました。このサービスは、特に大型構造物の製造現場において、製造工程のデジタル化を実現し、効率的な生産管理を可能にするものです。
背景にある課題
日本の製造業は、昨今の人手不足やコスト競争力の低下といった課題に直面しています。特に大型の構造物を生産する現場では、従来のライン生産が適用しにくいため、依然として手作業に頼ることが多く、業務の効率化が求められています。
また、COVID-19の影響で、海外のサプライヤーを直接訪問することが難しくなり、進捗状況を把握するのが困難な状況に陥っています。これに伴い、熟練の技術者によるノウハウや管理手法を次世代に引き継ぐ仕組みの構築が急務となっています。
東京ファクトリーは、2020年10月からこのようなニーズに応えるべく、「Proceedクラウド」のβ版を提供開始し、実際の製造現場での評価と改善に取り組んでいました。特に、イワキテック株式会社ではこのサービスを導入し、製造状況を可視化して業務の効率化を図っています。
「Proceedクラウド」の特徴と機能
「Proceedクラウド」は、製造情報を工程写真を基にデータベース化。これにより製造状況の可視化を実現します。主な機能は以下の通りです:
- - 写真整理機能: 撮影した工程写真を簡単に整理・保存。
- - 工程管理機能: 各工程の進捗状況を可視化。
- - コメント機能: 写真に直接コメントを書き込むことで情報を追加。
- - 電子小黒板機能: リアルタイムで作業指示を掲示。
- - 写真集作成機能: 完成した工程の記録として写真集を作成。
これらの機能により、遠隔地からでも進捗の把握が可能になり、技能の継承に必要なデータベースの構築をサポートします。
資金調達と今後の展望
最近、東京ファクトリーは1億円のシード資金を調達しました。この資金は「Proceedクラウド」のさらなる機能強化や、顧客へのサポート体制の強化に使用される予定です。日本国内の製造業の実績と経験を活かし、競争力の維持に寄与することを目指しています。
ANRIのパートナーである鮫島昌弘氏は「日本の製造業は人材不足や高齢化といった課題を抱えている中、東京ファクトリーの取り組みには大きな期待を寄せています」とコメント。今後の製造業のDX革命に向けて、東京ファクトリーに注目が集まっています。
会社概要
- - 会社名: 株式会社東京ファクトリー
- - 所在地: 東京都文京区本郷3-40-3 SKビル202
- - 代表者: 池実
- - 設立: 2020年4月
- - 事業内容: 製造業向けSaaSの開発・販売・運用、業務改善コンサルティング
製造業の未来は、東京ファクトリーの手によって変わろうとしています。「Proceedクラウド」はその一翼を担う存在として、今後も発展していくことでしょう。自動化が難しい分野での革新を実現し、製造現場を支えていく姿勢に期待が寄せられています。