世界のITエンジニア数が初めて3000万人を突破
最近、総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社が発表した「2025年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.17」によると、世界のITエンジニア数が初めて3000万人を超えました。これに伴い、各国の状況やトレンドについても注目が集まっています。
世界のITエンジニア数の現状
レポートによると、世界のITエンジニア数は推定3002.3万人に達し、前年比で2.2%の増加を示しました。国別では、インドが494.6万人で首位を維持し、米国(439.9万人)や中国(342.0万人)を引き離しています。興味深いのは、インドのITエンジニア数の増加が加速している点です。これは、インドのIT産業が急成長を続けていることを示しています。
日本の状況と課題
日本は154.0万人のITエンジニアを抱えており、前年比で6.9%の増加を記録しました。この成長率はG7諸国の中では相対的に高いものの、実際には分野ごとの卒業者数の伸び悩みが浮き彫りになっています。特に、IT系専攻の大学卒業者数が低迷しており、増加率はわずか2.2%。これはG7諸国の中で最も低い数字です。
日本のIT人材供給力の低下は、新たな人材をIT業界に送り出す教育システムの問題を反映しています。現役エンジニア数の増加に対して、教育機関から供給される専門人材の数が追い付いておらず、結果的に企業は他業種からの人材流入に依存している状態です。
国際的な動向
世界のITエンジニア数の増加の背景には、東欧諸国での人材流動といった国際的な動きも影響を及ぼしています。スロバキアやポーランドなどの国嘗試のITエンジニア数が大幅に増加しており、これは国際情勢の変化にも関係しているとされています。特に、ウクライナからの避難者が近隣国に移動することで、東欧のIT市場が活性化している様子がうかがえます。
一方で、米国の状況はやや異なっています。コロナ禍によるデジタル需要は一時的に高まりましたが、現在は人員調整のフェーズに入っているとも考えられています。AIの導入などによる効率化や、開発拠点の海外移転が進んでおり、今後の人材供給に影響を与える要素が多々存在します。
結論
日本が世界のITエンジニア市場において競争力を維持するためには、人材供給と需要のバランスを取ることが急務です。現状の課題を克服するためには、教育機関におけるIT専攻育成の強化が求められます。特に、少子化が進む中で、企業は新卒だけでなく、リスキリングや教育プログラムを通じて専門人材を育てる取り組みも重要です。
より一層の国際人材の活用やリスキリングが今後の持続的な成長の鍵を握っていると考えられます。