愛の家グループホームによる防災の取り組み
地域の命を守るための挑戦
株式会社学研ホールディングスのグループ会社であるメディカル・ケア・サービスが運営する「愛の家グループホーム」は、高齢者を対象にした地域密着型の介護施設です。近年、日本各地で災害が頻発している中、同施設では利用者や地域住民の命を守るために様々な防災対策に取り組んでいます。今回は、具体的な取り組みについてご紹介します。
1. 地域との連携強化(東京都国分寺市)
「愛の家グループホーム国分寺本多」は、2015年に地元の町会や他の介護事業所と協力協定を結び、災害発生時に互いに支援し合う体制を整えています。最近では、地域の防災マップの作成や防災イベントに参加し、ご利用者と共に地域の防災について考える機会を設けています。これにより、利用者の社会参加を促進し、地域住民との顔見知り関係を築くことができています。
2. 津波対策訓練の実施(愛知県弥富市)
「愛の家グループホーム弥富」は、津波が発生するリスクが高い地域に位置しています。このため、利用者の全員の命を守るために、現実的かつ具体的な避難訓練を定期的に実施。愛知県や大学と連携し、津波からの避難方法について独自のマニュアルを作成し、訓練を行うことで、実効性のある避難システムを構築しています。特に、垂直避難の訓練を重視し、利用者を安全に2階へ避難させるための訓練も行っています。
3. 災害時の地域支援(愛知県海部郡大治町)
「愛の家グループホームおおはる」と「愛の家グループホーム大治北間島」は、お一人で生活している高齢者が多い地域で運営されています。このため、地域の皆さんが避難するのが難しい際に、避難所として事業所を開放し、必要な物品の提供や情報発信を行うことを目的としています。2024年には大治町の災害時協力事業所として登録され、地域の安心・安全をサポートする体制が整備されました。
4. 全国展開での防災BCPの策定
「愛の家グループホーム」では、紹介した事例以外にも、全国に展開されている介護事業所での災害版BCP(事業継続計画)の策定を行っています。これは、災害や感染症発生時にもサービスを継続可能な体制を確立するもので、地域との連携を強化し、より多くの命を救うための取り組みです。
5. メディカル・ケア・サービスの取り組み
メディカル・ケア・サービスは1999年に設立以来、認知症高齢者を専門とした「愛の家」を中心に、全国に360以上の介護施設を運営しています。「認知症を超える。」というブランドメッセージのもと、全ての高齢者が自分らしく生活できる社会の実現を目指しています。地域の安全を図るための取り組みは、この理念を具現化する重要な活動の一環として続けられています。