関西電力送配電が描く2050年の未来:エネルギープラットフォーマーへの道
2024年8月1日(木)、新社会システム総合研究所(SSK)主催のセミナー「関西電力送配電のグループビジョンとDX戦略」が開催されました。講師は関西電力送配電株式会社 執行役員 CDO 配電部・情報技術部担当の松浦康雄氏。2050年のカーボンニュートラル社会を見据え、同社が掲げるグループビジョンと、その実現に向けたDX戦略について詳しく語りました。
エネルギープラットフォーマー:電力会社が目指す新たな役割
松浦氏はまず、2050年の社会と将来の電力ネットワークについて解説。脱炭素化、デジタル化、少子高齢化など、社会を取り巻く環境が大きく変化していく中で、電力会社は従来の枠組みを超えた新たな役割を担う必要性を訴えました。
関西電力送配電が目指すのは、エネルギー分野におけるプラットフォームとしての役割を担う「エネルギープラットフォーマー」です。これは、電力供給だけでなく、エネルギーの効率的な利用や管理、新しいサービスの創出など、幅広い分野で社会に貢献していくことを意味します。
DX戦略で実現するスマート社会
エネルギープラットフォーマーを実現するため、関西電力送配電はDX戦略を積極的に推進しています。セミナーでは、データ利活用、スマートメーターシステム、デジタル技術を活用したサービス開発など、具体的な取り組みが紹介されました。
特に注目すべきは、スマートメーターシステムの活用です。スマートメーターは、従来のアナログメーターと異なり、電気の使用量をリアルタイムに把握できるため、消費者の省エネ意識を高め、より効率的なエネルギー利用を促進します。また、蓄電池や太陽光発電といった再生可能エネルギーとの連携も可能になり、電力ネットワーク全体の効率化に大きく貢献します。
経営層から現場まで一体となったDX推進
松浦氏は、DX推進にあたっては、経営層から部門長までを巻き込み、全社を挙げて取り組むことが重要だと強調しました。同社では、データ分析専門人材の育成や社内コミュニケーションの活性化など、様々な取り組みを通じて、DXを組織全体に浸透させようとしています。
まとめ:変化を恐れずに未来へ向かう関西電力送配電
セミナーを通じて、関西電力送配電が、2050年のカーボンニュートラル社会に向けて積極的に変化を遂げようとしていることが伝わってきました。DX戦略、データ利活用、スマートメーターシステムなど、同社の取り組みは、今後の電力業界の進むべき道を示す重要な事例と言えるでしょう。